県内観光客1920万人 3年ぶり増も依然厳しく 2021年、長崎県統計

昨年は秋から年末にかけて徐々に観光客が戻ってきた。写真は県内に適用されていた「まん延防止等重点措置解除後、初の週末の様子=2021年9月18日、長崎市新地町

 長崎県がまとめた2021年観光統計によると、県内の観光客延べ数は前年比19万人増(1%増)の1920万人で3年ぶりの増加に転じた。前年に続いて新型コロナウイルスの影響を受けたが、県や市町による旅行割引などの効果もあり“2年目”の方が人の動きがあったとみられる。ただ、コロナ禍前の水準までは回復しておらず、依然厳しい状況となっている。
 延べ宿泊客数は444万6千人(前年比0.5%増)。秋ごろまでは県独自の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用などによる行動制限が続いたが、10月以降は感染者数は減少。10~12月で持ち直し、特に12月は九州内の学校を中心に修学旅行の需要も増え、前年同月比21.4%増でコロナ禍前を上回った。
 日帰り客は1134万1千人(同2.2%増)。感染拡大時期は休館やイベントの中止が相次いだが、10月の長崎市恐竜博物館の開館や、西海市の長崎バイオパークなど屋外施設の入場者増が押し上げた。
 地域ブロック別で最も伸びたのは「平戸・松浦」。県内旅行の需要を取り込み、前年から20万2千人増えた。「島原半島」は8月の豪雨災害で雲仙温泉街の複数の宿泊施設が休館になったことなどが影響し、前年から32万3千人減った。
 観光消費額は前年比5億円減の1868億円。日帰り客は同10億800万円増だった一方、宿泊客は同14億8900万円減。県はビジネス客を中心に感染対策のため、宿泊地での外食を控える動きなどが影響しているとみている。


© 株式会社長崎新聞社