依願退職…生徒12人を殴ったり、竹刀でたたき、喉を突いた剣道部元顧問 体罰中の生徒、防具なく顔腫れる

本庄第一中学、高校を家宅捜索し、押収品を運び出す県警の捜査員=8月25日午前11時50分ごろ、本庄市仁手

 本庄第一中学校(埼玉県本庄市仁手)の元教員で剣道部の顧問だった男性(31)が、剣道の稽古中に男子部員に暴行し逮捕、略式起訴された事件で、元顧問が他の部員12人にも体罰を加えていたことが26日、同校への取材で分かった。学校の調査で判明したという。

 同校によると、元顧問は昨年以降、剣道場などで部員9人に対し肘で顔を殴ったり、防具を着けない状態で喉を突いたりした。今年6月16日には柔道場で防具を着けていない部員3人に対して、頭を竹刀で複数回たたくなどの体罰行為があり、うち1人は頭や顔が腫れたという。

 同20日に保護者からの体罰の訴えがあり、同校が部員や顧問へのヒアリングなどの調査を実施。同校が元顧問の逮捕後に開いた会見でも、他の部員への体罰があったことを明らかにしていた。

 元顧問は昨年12月末の合宿中に竹刀で男子部員の喉や脇腹を突くなどしたとして、8月25日に暴行容疑で逮捕された。9月13日に略式起訴され同日、罰金20万円の略式命令を受けた。同校によると、元顧問は7月15日付で停職3カ月の懲戒処分を受け、9月20日付で依願退職したという。

 同校は「学校という教育現場であってはならないことが起きてしまい、申し訳ない。再発防止に向けて職員の研修などを行っていきたい」としている。

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