当日も割れる賛否 安倍元総理の「国葬」 広島の1日 各地で半旗

賛否が分かれる中、27日、安倍元総理の国葬が行われました。広島県内での1日の動きを追いました。

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午前8時、呉市の海上自衛隊呉地方総監部。合図とともに半旗が掲げられます。

呉基地に停泊している海上自衛隊の艦船も同様です。安倍元総理の国葬当日を迎えました。

広島県庁でも午前7時、半旗が掲げられました。半旗の掲揚をするのか、しないのか―、県内の自治体でも判断が分かれました。

RCCの事前の取材で「掲揚をする」としていたのは、県や広島市など16の市町。廿日市市など7つの自治体が「掲揚しない」としていました。

ただ、半旗を掲揚した県庁でも…

末川 徹 記者
「午前7時半すぎ、広島市中心部では強い雨が降ってきました。そのため、半旗は降ろされていきます」

広島市など結局、雨のため掲揚を見送った自治体もありました。

広島市中心部で「国葬反対」などと書かれたプラカードを掲げる市民団体。国葬当日も抗議活動が行われました。

広島県被団協 佐久間 邦彦 理事長
「わたしは国葬に反対する。国会で決議するなり、議論するなりして決めて、それから行うべきだと思う。なので、わたしたちは今回の国葬に対して納得できないし、ぜひ、今からでもやめてほしい」

最終的には直前まで県民の賛否も分かれました。

賛成(20代)
「安倍さんがやって来た今までのことをたたえてあげるという面や、海外の首脳に対しての顔があると思うので、ぼくは全然、賛成」

賛成(20代)
「外交という面では、各国の方に来てもらうことができるなら仕方がない。賛成だが、お金は少し抑えてほしかった」

賛成(10代)
「けっこう、いろいろ問題もあったと思うが、長い間(総理を)やられてきて、政治も回っていたと思うので、すごく感謝しているし、これからも安倍さんのような総理が出てくることを願っている」

反対(60代)
「反対。安倍元総理だけ国葬になるということは理由が立たないのではと思う。国民葬とかで十分なのではと」

反対(30代)
「議会で話し合いをされていないというのと、国民の意見を聞くというのが岸田さんの意見だったと思うが、本当に聞いているのかな」

反対(60代)
「あまりにも騒がしすぎて、どうせやるのであれば気持ちよく穏やかな雰囲気でされるならいいけど、何だかんだ問題あった。統一教会など何か引っかかるところがある」

午後2時、東京の日本武道館で安倍元総理の国葬が始まりました。国葬の実施は、1967年の吉田元総理以来、戦後2例目です。

会場では、生前の映像が流されるのに続いて、岸田総理などが追悼の辞を述べました。広島からは湯崎知事や中本県議会議長などが参列しました。

広島市の自民党広島県連には、記帳代が設けられました。県連の職員は、テレビの放送に合わせて黙とうしていました。

広島県内のそれぞれの市や町に職員らに対する黙とうの呼びかけについてたずねたところ、いずれも「しない」と回答…。

このうち呉市では、弔意を求めるものではないとしたうえで、国葬会場での黙とうの時間を庁内放送で知らせたところ、市役所では、職員たちが黙とうする姿が見られました。

一方、国会議員は参列をめぐって野党の対応が分かれました。

国葬が実施中の午後3時ころ、地元広島から東京の議員会館事務所に到着した立憲民主党の森本 真治 参議院議員。本来は静かな環境で哀悼の誠を捧げたかったと政府の進め方を批判しました。

欠席した 立憲民主党 森本 真治 参院議員
「国葬儀なので国会にていねいに説明し、また根拠・基準をしっかり示していかなければならなかったが、あいまいなままに強引に進んでしまったことで、世論が大きく分かれてしまった。政府の対応が非常にまずかった。これに尽きる」

また、広島県を地盤とする野党議員で唯一、出席の返事を出していた日本維新の会の空本 誠喜 衆議院議員は、カゼをひいたため欠席したとしています。

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