winnie、10月5日発売の結成20周年記念アルバム『Boost』から「freedom bells」先行配信決定&ミュージック公開!

スウェディッシュポップとメタルをマッチングさせながら、グランジやエモのエッセンスを織り交ぜ、独自のエモーショナルなロックを構築する4ピースバンド、winnie。ここのところマイペースな活動が続いていたが、結成20周年となる2022年、ついに動き出す。

長らくサポートベーシストを務めていたABSTRACT MASHのnassy(Ba)が正式加入し、盤石の布陣になった彼らは約5年ぶりとなる新作、ミニアルバム『Boost』を発表。それに伴い、東名阪ツアーを行なうことが発表されていた。 今回新たに新作、ミニアルバム『Boost』よりリード曲の『freedom bells』が、9月28日(水)0時より先行配信決定。詳細はこちら。

合わせて、『freedom bells』のミュージックビデオが、9月27日(火)20時より解禁された。 https://youtu.be/VXTc1fpwWqE

『Boost』楽曲解説

① R.I.P

幕開けを飾るのは、透き通ったioriの歌声と奥深いokujiの歌声の掛け合いとハーモニー、適度な疾走感、シリアスなムードをまといながらも慈愛に満ちたメロディーが胸に響く、winnieの王道とも言える要素が詰め込まれた1曲。約5年ぶりとなる新作の幕開け、足早に駆け出していくアプローチにもしそうだが、各楽器の音が空間に散りばめられ、ただならぬ空気を醸し出す語りが加わる長めのイントロでしっかりと導入の雰囲気を構築するのも彼らのスタンスであろう。

② nobody answers

インパクト大なギターから激しく覚醒するかと思いきや、穏やかな波間に漂うようなムードに包まれ、輝かしいメロディーとその余韻に陶酔できる秀逸なナンバー。その流れは悲哀に暮れながら揺れ動く感情が投影されているようでもある。伸びやかな音の響き、飛び込んでくる精密かつイマジネーション豊かなリフも実に良く、一筋縄ではいかない抑揚がスケール感をもたらしてくれる。

③ freedom bells

骨太ながらしなやかなベース、キレと重みを同居させたドラム、見事に構築されたギターフレーズが一体となったサウンドと幻想的な雰囲気をまとうメロディーラインが共に抜群の存在感を放つ。潰し合ったり、どちらかに偏ることなく、互いが高みでマッチングし、winnieらしい色を持ちながら、新鮮な聴き応えがあるのだ。艶めかしいギターソロも含めて、ライヴで心地よく翻弄されたいと思わせる求心力を持っている。

④ lights out

メタルやエモのエッセンスをふんだんに振りかけ、重厚さを持つオルタナティブロックが持ち味ではあるが、こういったポップで軽妙なアプローチも自然体で臨めるのが彼らの強みだろう。どことなく影を感じさせるシリアスなトーンではありつつも、心が浮き立つようなニュアンスを誇っている。また、極上のメロディーはリピートに耐えうるということを証明する曲でもある。

⑤ creatures of the night

ラジオのチューニングを合わせたようなSEから始まり、切り裂くようなギターリフに続く2ビートが刺激的なメロディックチューン。その鋭さが印象的ではあるが、複雑に絡み合う各楽器の音を意識するだけでも楽しめる。後半に飛び出すギターソロから少し腰を落とすあたりもニクいアクセント。また、歌詞で描かれる夜、沈黙を破ること、こっちへおいでと語りかける部分は閉塞感のある状況やライヴを連想することもできるはず。あんまり期待をしないで、と付け加えているところも奥ゆかしいらしさが出ている。

⑥ alone again

締めくくりとなるのは、抒情豊かなメロディーで切なさを抱きしめながら強い自分でありたいと歌い上げるミドルバラード。ゆったりと温かみのあるアレンジが施されており、しみじみと響くナンバーではあるが、ioriの輪郭がはっきりした歌声がその願いをしっかりと届けてくれる。劇的なクライマックスの後、エンドロールが流れているようなニュアンスもあり、繰り返される<alone again>というフレーズがいつまでも胸を離れない。わかりやすいフックのある曲をただ並べるのではなく、ひとつの作品としてのクオリティをひとつ上に持ち上げる役割を果たしているだろう。

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