「安倍政治を美化するな」 国葬当日、各地で抗議集会 国会前には1万5千人 「憲法は認めてない」

国葬反対の街宣活動が行われたJR桜木町駅前広場=横浜市中区

 安倍晋三元首相の国葬が行われた27日、開始時刻に合わせて国葬中止を求める集会が国会前で行われたほか、神奈川県内でも各所で街宣活動が行われた。国会前には約1万5千人(主催者発表)が集まり、「弔意の強制許さない」「安倍政治を美化するな」と訴えて抗議の意思を示した。

 国会前の集会は「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」などの団体でつくる実行委員会が主催。野党の国会議員や前法政大学長の田中優子さんらがマイクを手に国葬反対を訴えた。

 「民主主義を終わらせない」と書いた手作りプラカードを掲げた藤沢市のNGO職員の女性(28)は「国葬を許すと民主主義の在り方が変わってしまう気がして、怖くなった」と初めて集会に参加した。「若い人たちも社会の一員なので、もっと政治に関わってほしい」と語った。

 県内でも各地で抗議が行われた。

 海老名駅前の自由通路では、「えびな・九条の会」のメンバーが「国葬を憲法は認めていません」と書かれた横断幕を手に抗議の意思を示した。参加した海老名市の主婦(41)は「安倍元首相の功績については賛否両論ある中で国葬を強行するのは賛成できない。暴走政治がスタートする懸念がある」と危機感を募らせた。同市内の男性(71)は「今生活で困っている人はたくさんいるのになぜ国葬に税金を使うのか。強く声を上げ続けたい」と憤った。

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