2年をかけ、待望のデビュー! 「とやま和牛 酒粕育ち」の「旨み」に迫ってみた [富山県]

●「とやま和牛 酒粕育ち」の名称とロゴデザインを決定

富山県では、2年をかけてブランド化を進めてきた和牛の名称を、令和4年7月に発表しました。その名は「とやま和牛 酒粕育ち」。「とやま和牛 酒粕育ち」とは、その名の通り、富山県産の「酒粕」をえさとして与えた和牛で、富山県が令和2年度~3年度に実施した給与実証の結果では、最高級A5ランク比率が87%(R3年全国平均:55%)。また官能評価でも「ジューシーで柔らかく、脂の甘味が強い」との高評価を得て、“新感覚の高級ブランド牛”の地位を手に入れました。

名称と併せて発表されたロゴデザインは、和牛をイメージしたシルエットに、原料の酒米の「米」の文字を放射線状に配置し、8つに分割された部分は肉質等級が5等級と格付けされる肉の色を、口元の菱形は、栄養豊富な酒粕を表しています。

名称発表会では、富山県内の著名なシェフ3名による趣向を凝らした料理(「内もものローストビーフ 酒粕マリネ」「リブロースのポシェ 塩こうじソース」「イチボの炭火焼 夏野菜のティヤン プロバンス風」)が振舞われ、各参加者からは「感動の味」「風味が素晴らしい」など感嘆の声があがりました。

●フードロス対策と資源循環の取組みを両立

今回のブランド開発のきっかけは、令和2年度に富山県酒造組合から受けた「酒粕」の有効利用の提案ですが、実際には、平成29年度から、家畜のえさとして利用可能な未利用資源(エコフィード)の調査と畜産農家へのマッチング活動を実施しており、その中で至った発想です。

日本酒の製造過程で発生する「酒粕」は、近年の食生活の変化で食用としての利用量が減少していますが、栄養豊富な発酵食品です。「えさ」としての「酒粕」の利用は、アルコール成分で牛の食欲を増進し、食肉としての栄養と旨味に貢献します。そして、一次的なフードロス対策に留まらず、その健康な牛の堆肥で美味しいお米を育て、その美味しいお米で美味しい日本酒を作る…農業、畜産業、酒造業に“旨み”をもたらす「三方よし」を実現し、「SDGs」にも繋がる「地域循環型」の仕組みが特徴です。

富山県では、注目こそが生産者の意欲向上につながるため、増頭や規模拡大につながるきっかけになればと地域ブランドとしての継続、その先の全国展開まで期待を寄せています。そんな未来の早期実現に向けて県内での取り扱い先を増やすために、それぞれのお店まで実際に足を運び、各店主に直接「とやま和牛 酒粕育ち」の魅力を伝えるなど、好スタートに向けた下準備を重ねてきました。

●ついに一般販売、提供開始。そして富山から全国へ。

7月22日に「初せり」が行われ、いよいよ市場に出回った「とやま和牛 酒粕育ち」。今年度は9戸の生産者がこの取組みに参加し、県内の全和牛出荷頭数の3分の1にあたる200頭の出荷を見込んでいます。今年8月時点では7つの小売店で販売し、20の飲食店で提供されているので、詳細は「JA全農とやま」のホームページからご覧ください。

【問合せ先】

●富山県農林水産部 農業技術課

TEL:076-444-3288

FAX: 076-444-4409

「とやま和牛 酒粕育ち」について

https://www.zennoh.or.jp/ty/product/sakekasusodachi/

とやま和牛 酒粕育ち
ロゴマーク
酒粕を食べる牛