とっさの機転!携帯で話す女性、郵便局に…詐欺を見抜いた局員、電話代わって女性の娘のふり 詐欺師だます

感謝状を受け取った上吉田郵便局の黒沢恵子さん(左)と、片山裕喜夫署長=小鹿野署

 特殊詐欺被害を未然に防いだとして、埼玉県警小鹿野署は、上吉田郵便局(秩父市)局員の黒沢恵子さん(58)に感謝状を贈った。同署によると、黒沢さんは7月8日午後1時半ごろ、携帯電話で通話しながらATMを操作している秩父市70代女性を不審に感じ、用途を聞くと、「今日中に携帯の未納料金8万円を振り込みたい」などと答えたため詐欺を疑い、署に通報。架空請求詐欺を未然に防いだ。

 黒沢さんによると、女性は常連客で、いつもは窓口を利用している。女性の電話相手が詐欺師だと察した黒沢さんは、女性の娘になりきって電話に代わり、「請求書は送っているの?」などと対応。警察官が到着するまで時間を稼いだ。

 感謝状を受け取った黒沢さんは「利用客はほとんどが常連なので、今後もお客さんに寄り添っていきたい」と話した。同署の片山裕喜夫署長は「局員のとっさの機転で、特殊詐欺を未然に防止できた」とたたえた。

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