大村市新庁舎 供用半年遅れ 代替検討に時間、資材高騰で費用も27億円増

新市庁舎建設が予定されている市民プール一帯=大村市森園町

 長崎県大村市は27日、森園町の市民プールと森園ファミリースポーツ広場での建設を予定している新市庁舎について、代替施設の検討などに時間を要するとして、供用開始を当初から約6カ月遅れとなる2028年度を想定していると明らかにした。
 市議会全員協議会で説明した。市は18年、建設候補地を現庁舎裏の大村ボート第5駐車場とする新庁舎建設基本計画を策定。その後、断層が見つかったことを受け候補地を市民プールと同広場に決め、基本計画の見直しを進めていた。
 見直した計画では、分散している上下水道局や男女いきいき推進課などを新庁舎に集約し、延べ床面積を2万平方メートル程度としている。約107億5千万円の概算事業費は、近年の建築関係経費の高騰などを受け約134億5千万円に増加。モーターボート競走事業収益基金の活用を検討するとしている。
 本年度末まで基本計画を見直し、市民アンケートも実施。来年度に基本設計に入り、着工は25年度になる見通しという。
 このほか全員協議会では、家庭の流し台に取り付ける機器で、生ごみを粉砕処理しそのまま下水道に流す「直接投入型ディスポーザー」の設置を来年度から認めると説明。台所の環境改善や生ごみの減量につながるとしている。個別の処理槽などを通さずに、粉砕物を直接下水道に流すディスポーザーの設置を認めるのは九州では初となる見込み。
 昨年4月の火災で被害を受けた市環境センターについて、今月22日で3基すべての焼却炉が復旧稼働したことも報告。市外のごみ処理施設に搬出したごみの総量は1万7792トン、焼却施設の復旧やごみ処理などのための経費は約17億8100万円になるという。


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