被爆者歌う会「ひまわり」月内活動終了 10月から市民合唱団で再出発

9月いっぱいで活動を終了し、10月から新たな合唱団を立ち上げる被爆者歌う会「ひまわり」=8月9日、長崎市の平和公園

 被爆者でつくる合唱団「被爆者歌う会『ひまわり』」が今月いっぱいで活動を終了し、10月、市民を加えた新たな合唱団として再スタートすることが27日、分かった。高齢化による会員の減少が主な要因。
 「ひまわり」は2004年に「世界唯一の被爆者の合唱団」として有志13人で発足。10年から、8月9日の平和祈念式典で代表曲「もう二度と」を披露し「歌の語り部」として活動してきた。新型コロナ禍の影響で約30人だった会員は半数以下の約10人に減少。会員確保や体調面の不安などから、祈念式典での歌唱は今年が最後だった。
 「ひまわりの活動がモチベーションの一つ」「歌いたいが体がきつい」など会員の思いを踏まえ、主催者の寺井一通さん(73)は現在の会員を核にしながら、被爆者以外の市民も参加できる新たな合唱団の設立を提案。27日のレッスンで了承された。
 新合唱団の名称は「平和を歌う合唱団『ひまわり』」。「8月に太陽に向かって前向きに咲くひまわりのように私たちも活動しよう」との思いを込めた現在の「ひまわり」の名称を引き継ぐ。現会員と市民ら計15人ほどが入団予定。
 会計担当の伊東敬子さん(78)は「活動が先細りするのを実感してきた。仲間が増えて、いろいろな所で歌声を響かせられたら」と期待感を話した。
 「平和を歌う合唱団『ひまわり』」は団員を募集している。対象は18歳以上。13~17歳は保護者の同意があれば入団できる。会費は月額3500円(中高生、大学生2千円)。レッスンは毎週火曜日午後1時45分~3時45分、長崎市宝町の銭座地区コミュニティセンター。問い合わせは寺井一通音楽事務所(電080.5214.4450)。


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