高校日本代表でW杯3位 海星・宮原明弥投手「次は大学日本代表を狙う」

「プロで活躍できる投手になりたい」と意気込む宮原=長崎市、海星高

 夏の全国高校野球選手権で好投した海星3年の宮原明弥が高校日本代表の一員としてU18ワールドカップ(W杯、9月9~18日・米フロリダ州)で3位に輝いた。甲子園では1回戦で日本文理(新潟)を完封。天理(奈良)を下して進んだ3回戦で近江(滋賀)に逆転負けしたが、総合力の高さが評価され、馬淵史郎監督(高知・明徳義塾)率いる20人のメンバーに選出された。世代トップの選手たちと日の丸を背負って世界に挑んだ右腕に、W杯の感想や今後の目標などを聞いた。

 -あらためて甲子園を振り返って。
 自分の力を発揮できたので、とても楽しい時間だった。1回戦から相手投手がプロ注目で絶対に負けられないと思った。救援した2回戦を含め、バックがすごくいいプレーをしてくれたことも大きかった。内角直球を力強く投げられたし、カウントが悪くなっても変化球でストライクを取れるのが強み。自信がついた。3回戦の近江戦は向こうが一枚上手だった。

 -その近江のエースで4番の山田陽翔らと一緒に背負った初めての日の丸。
 8月28日に合流して練習する中で、さすがだなと思った。山田は直球と分かっていても打者が打ち損じて、大阪桐蔭のエースの川原嗣貴は自分に自信を持って堂々と投げていた。捕手の松尾汐恩(大阪桐蔭)は真っすぐ中心の配球で、変化球中心だった自分にとって新しい発見があった。

 -大学日本代表とも壮行試合で対戦した。
 振ってほしい低めの球は見極められるし、オーラがすごかった。(大阪桐蔭出身で立大の山田健太から3球三振を奪うなど2回無失点で)自分の球でも通用するんだなという手応えもあった。

 -W杯は。
 メキシコ戦をはじめ、結構三振が取れた(3試合計5回1/3で9個)。ただ、救援して打たれた台湾は前回王者でパワーが違った。韓国の選手は追い込んでも、なかなか三振しなかった。球速は自己最速の150キロが出たが、どんなに速くても直球だけじゃ打たれると思った。試合は7回制で準備が大変だった。序盤の失点が響く。また、初の海外でご飯を全然食べられずに3キロくらい痩せた。

 -対馬出身で中学から長崎市で暮らして海星へ。6年間の感想を。
 一緒にきつい練習をやってきたみんながいなかったら、ここまで来ていない。生活を支えてくれた母、三つ上で海星OBの兄、島に単身残って仕事をしてくれた父にも、まず一つ恩返しできた。

 -進路と目標を。
 東都リーグの大学に進学予定。高卒プロはあまり考えていなかったし、甲子園やジャパンを経験して、もう一回、体を強くしてからだと感じた。リーグのレベルは高いけど、チームのエースになれるように頑張って、次は大学日本代表を狙う。憧れは奥川恭伸投手(ヤクルト)。プロで活躍できる投手になりたい。

 【略歴】みやはら・はるや 対馬市出身。豊玉小1年でソフトボールを始め、兄の高校進学を機に長崎市へ移住。小島中軟式野球部を経て、海星高では1年秋から主要公式戦で登板。向井恵理登と右のダブルエースとしてチームを引っ張った。昨季は県内主要4大会で3冠。最速150キロの直球に縦スライダーやカットボールを巧みに織り交ぜる。好きな言葉は帽子のつばにも書いていた「常笑」。好きな食べ物は肉といちご。182センチ、88キロ。


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