台湾のアカデミー賞とも呼ばれる金馬奨で、主役のフー・ディンイーが年度台湾傑出映画製作者賞を受賞したドキュメンタリー映画「擬音 A FOLEY ARTIST」が、11月19日より劇場公開されることが決まった。
「擬音 A FOLEY ARTIST」は、金馬奨に多数ノミネートされた経歴を持つ台湾映画界のレジェンド的フォーリーアーティストである、フー・ディンイーを追ったドキュメンタリー映画。フォーリーアーティストとは、映画の登場人物の動きやシーンなど追いながら、スタジオで道具と技を駆使してあらゆる音を作り出す職人のことで、本作では40年に及ぶフーのフォーリー人生が記録されている。
70本を超えるフーの担当作品に言及しながら、ホウ・シャオシェン、エドワード・ヤンなど、台湾映画が広く世界に認知された1980年代のニューシネマの登場、そしてそれ以前の台湾映画も垣間見ることができる作品となっている。音響制作の老巨匠たちや台湾映画のサウンドトラックを制作する人物たちが、映画の音を取り巻く環境の変化、未来のフォーリーの存在についても語る。
監督を務めるのはワン・ワンロー。デビュー作である詩人のルオ・フーを記録したドキュメンタリー映画の制作時に、超現実的な詩の世界を現場の音だけで表現するには限界があることを痛感し、本格的に「音」を勉強しようと思ったことが、本作を制作するきっかけとなったという。
メインビジュアルでは、本作の主人公フー・ディンイーが鐘を鳴らしながら温かくほほ笑む姿、そしてフォーリーアーティストがさまざまな生音をつくりだす出す際に使う日常の道具がぎっしりと並んだデザインとなっている。
【作品情報】
擬音 A FOLEY ARTIST
2022年11月19日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
配給：太秦
©Wan-Jo Wang
