清楚な美 岡田三郎助の優品ずらり 佐賀ゆかりの美術展 岡山で開幕

優美な女性像「少女読書」を鑑賞する入場者

 佐賀県立美術館・博物館の優品を紹介する特別展「岡田三郎助と佐賀ゆかりの美術」が28日、岡山市北区天神町の県立美術館で始まった。日本近代洋画の巨匠・岡田三郎助(1869~1939年)を中心に、現代作家から伝統工芸まで多彩な約120点が並び、訪れたファンらを魅了している。

 佐賀藩士の子として生まれた岡田は、黒田清輝らと洋画団体白馬会の創立に加わり、東京美術学校(現東京芸術大)教授として多くの後進を育てた。会場には初期から晩年までの22点を展示。滑らかな肌の「裸婦」、物憂げな和装の「坐婦」など、繊細な色調の女性像には日本的な美意識がにじむ。

 岡田と同時代の画家のほか、細密なペン画で注目を集める池田学ら現代の気鋭画家、伝統工芸の有田焼や考古資料も並ぶ。夫婦で訪れた来場者(70)=香川県宇多津町=は「岡田作品をまとめて見られてうれしい。『少女読書』の清楚(せいそ)な美しさが心に残った」と話した。

 この日は開幕に先立ち開会式が行われ、伊原木隆太知事、福井尚寿・佐賀県立美術館長ら4人がテープカットした。

 山陽新聞社共催。11月6日まで。10月10日を除く月曜と11日休館。

テープカットする主催者ら

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