食料問題対策に昆虫食 味はどう? 倉敷で親子料理教室

コオロギパウダー入りクッキーが焼き上がり笑顔の親子ら

 人口増や気候変動による世界的な食料危機を背景に、昆虫を食べる「昆虫食」が注目を集めている。なぜ昆虫なのか、味は―。倉敷市内でコオロギを使った子どもたちの料理教室が開かれると知り、のぞいた。

 「昆虫は未来食と言えます」。市総合福祉事業団が7月下旬に開催した教室で、管理栄養士の若狭麻未さん(34)が、参加した市内の小学生の親子計18人に呼びかけた。

 国連食糧農業機関(FAO)も食料問題対策として家畜の代替食にと推奨する昆虫食。若狭さんによると、メリットは複数ある。まずは栄養価が高く、貴重なタンパク源であること。さらに牛や豚、鶏といった家畜に比べて餌や飼育スペースが圧倒的に抑えられ、環境負荷の低減に貢献できる。「飢餓ゼロ」といったSDGs(持続可能な開発目標)の推進にもつながる。

 味はどうか―。この日作ったのは、コオロギを粉末加工したパウダーを使ったクッキー。薄力粉や砂糖などを混ぜ合わせた生地を虫や花の形に整え、オーブンで焼き上げた。

 コオロギやタケムシの素揚げも並び、教室終了後、子どもたちは抵抗感なさそうに口に入れては「おいしい!」。記者は顔を引きつらせつつタケムシの素揚げを口にしたが、エビや干物のような食感で意外にも味わえた。

 中洲小3年の児童(9)は「お話もクッキー作りも勉強になった」と笑顔で語った。食料問題は、多くの食物を輸入に頼る日本もひとごとではない。私たち大人も昆虫食や食料問題にもっと理解を深めたい。

クッキー作りに使用したコオロギパウダー

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