「“お前らはダメ”としょっちゅう罵倒」逆ギレ恫喝の船橋屋社長自ら語っていたパワハラ体質

「どっからお前出て来てんだ、この野郎!」
「えっ? じゃねーだろが、この野郎が! てめぇ、何まず曲がって来てんだよ」

これは現在、ネットで拡散されているドライブレコーダーに写っているやり取り。

動画には、あるドライバーが信号無視をしたと思われる赤い高級車と事故を起こした際の様子が収められている。事故の後、赤い車から男性が下りてくると、いきなり冒頭のように激昂。ドライバーが「いや、青(信号)でしたよ」と説明したものの、男性は「青じゃねぇから、俺がここ来てんだよ。おめぇが左に、おい!」と言い返している。

「動画には赤い車の男性が、ドライバー男性の車を蹴った音も収録されていました。この“恫喝動画”はネットでアップされたのち、削除されることに。ところがSNSでは転載されたものが拡散され、次第に『この野郎!』などとキレた男性について、1805年創業の老舗和菓子店『元祖くず餅 船橋屋』の渡辺雅司社長ではとの指摘が相次ぎました」(広告関係者)

9月27日に『J-castニュース』で配信された記事によると、船橋屋はドライブレコーダーの動画について「動画に映っておりますのは、渡辺本人でございます」と認め、「100%渡辺の過失で示談・和解が成立しております」とコメントしたという。

さらに船橋屋は27日、同件について公式サイトで声明を発表した。そこには「本来であれば、一日も早くお知らせをすべきところ、示談・和解に向けた話し合いを進めることを優先しており、ご報告が遅くなりましたこと、併せてお詫び申し上げます」と謝罪の言葉が綴られている。

“100%過失”にもかかわらず、事故相手を恫喝した渡辺社長。はたして、どんな人物だろうか?

「もともと銀行員だった渡辺社長は’93年、家業である船橋屋の専務に転職。そして’08年、父親の後を継いで船橋屋の8代目社長となりました。経営改革や人材開発のメソッドが注目され、’18年11月には経済人を特集する番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)に出演。翌年にはマネジメントに関する著書も出版しています」(前出・広告代理店関係者)

■「バカヤロウ」と怒鳴る暴君ぶり…コンサルタントも苦言

その手腕のいっぽうで、渡辺社長はもともと“パワハラ体質”だったようだ。例えば、’18年10月に公開された『LEADERS online』のインタビュー記事で、「銀行員から船橋屋の社員になって驚いたことや、社長を引き継いだときに苦労されたことはありますか?」という質問にこう答えている。

「職人たちが、昔ながらの製法を護ってきてくれたことには、大いに感謝しています。ただし、彼らの行動には驚くことも多くて。『今日の仕事はもう終わったから』と、午後4時ぐらいから『酒盛り』です。

何か指導をする時は、論理的に説明するのではなく、『バカヤロウ』と怒鳴り、時には手が先に出る。日曜日は場外馬券場に競馬に行ってしまい、お店には誰もいなくなる。そういうことが起きないように、トップダウンで押さえつけるしかありませんでしたが、どんどん人は辞めてしまった。その度に新卒を入れて、自分の考えを理解してくれるような人材を増やしていきました」

社長就任当時について、「私は『自分のやり方が正しい』と信じていたし、『お前らはダメなんだ』としょっちゅう罵倒していて、周りから見たら『暴君』だったでしょうね」(「週刊エコノミストOnline」’20年5月11日)とも語っている渡辺社長。

船橋屋のコンサルタントを務める「株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング」の小川晴寿氏は’20年3月、「週刊女性PRIME」の記事で当時の渡辺社長について「会議での高圧的な態度も引っ掛かりました」とコメント。

さらに小川氏は記事内で、「ベテラン女性店長が問いかけに反応できなかったのを例に挙げ、『あいつら何もできないでしょ』と専務室で言うので、私は『ひとつ申し上げてもいいですか。いい会社を作ろうと思うなら、社員に〈あんたら〉とか〈あいつら〉とか言うのはやめたほうがいいです』と忌憚(きたん)なく申し上げました」とも明かしている。

「渡辺社長は社長就任時の暴君ぶりを『パワハラ以外の何物でもない』と自身で語っていました。その後、改心したことで現在のような敏腕経営者になったといいます。しかし、今回の“逆ギレ恫喝動画”を見ると、“本当に変わったのか?”と疑う気持ちも出てしまいますよね」(前出・広告代理店関係者)

28日、船橋屋は渡辺社長から辞任の申し出があり、受理することを発表した。たった一度の逆ギレで社長の座まで失ってしまった。

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