夜間に道路横断中の事故、福井県では昼間の4倍 「光ってこそ人生」反射材着け命を守って

横断中の事故の発生件数

 夜間、車はライトをつけているから歩行者がよく見えていると思いがちですが、実はそうではありません。黒っぽい服装をしている人の場合、下向きライトで約26メートル手前から視認できます。が、時速50キロの車は停止まで約32メートルが必要。慌ててブレーキを踏んでも距離が足りません。運転に集中していなければ、もっと危険な状態になるはずです。

 ただ、反射材を身に着けていた場合は、下向きライトで約44メートル手前から視認できるといわれています。この差はまさに「自分の命を守れるかどうか」の差です。

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 イタルダの分析によると、福井県では歩行者の交通事故死者に占める高齢者の割合は約9割で、全国で最多です。また、夜間の道路横断中の事故は、昼間の約4倍発生しています(件数は全国で3番目)。

 つまり、高齢者が夕方や夜間に外出する際は、特に注意が必要なのです。これから日没も早まります。自分の存在を周囲に知らせる反射材の着用を心がけましょう。

 最近は、日常のものにデザイン性のある反射材が多く使用されています。反射材はホームセンターや量販店で買えるほか、コンビニや郵便局、病院などで無料配布もしていきます。いくつになっても光ってこそ人生―。あなたもぜひ「ピカピカ」に光ってみませんか?(福井県庁県民安全課)

 イタルダ 交通事故総合分析センターのこと。過去5年間の福井県の交通死亡事故データに基づき、他県と比較した事故の特徴などについて分析。結果の概要を県のホームページで公開している。

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