「一体の審理で責任の所在が明らかになると思う」熱海土石流をめぐる2つの損害賠償訴訟 併合審理にー静岡地裁沼津支部

複雑になりつつある静岡県の熱海土石流をめぐる裁判の進め方について、方向性が固まりました。9月28日、静岡地裁沼津支部で開かれた非公開の協議で、土地の前・現所有者を訴えた裁判と、県と熱海市を訴えた裁判もあわせて審理することが決まりました。

静岡県熱海市で発生した土石流の遺族や被災者あわせて84人は、盛り土の前の土地所有者や現在の土地所有者らに対して、約58億円の損害賠償を求めています。

28日の非公開協議には、土石流の遺族らの弁護士、前の土地所有者の代理人弁護士、現在の土地所有者の代理人弁護士が参加しました。

<原告側代理人 加藤博太郎弁護士>

「年内には、熱海市、静岡県に対して訴訟が始まり、この訴訟については熱海市、静岡県、そして盛り土の現在の所有者、旧所有者一体となって審理され、責任の所在が明らかになっていくと思います」

9月5日、遺族や被災者ら(110人、3法人)が熱海市と県に対しても責任を追及するため約64億円の損害賠償を求める裁判を起こしましたが、今後、土地所有者を相手取った裁判と併合して審理を進めることが決まりました。11月に開かれる予定の第1回口頭弁論を経て正式に併合されます。

一方、盛り土の現在の土地所有者側が熱海市長も相手取った裁判は、熱海市長の意向と裁判所の判断によって、今後、併合されるか決まるということです。

<現在の土地所有者側 河合弘之弁護士>

「私どもは真実究明のためにも併合してもらいたいと強く申し上げ、原告のほうも基本的には反対意見はないと」

次回は、2023年1月11日に非公開の協議が開かれる予定です。

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