端正な木造駅舎 長者町駅【木造駅舎カタログ】外房線05/290

※2022年1月撮影

トップ画像は、外房線長者町駅。古典的な木造駅舎です。内房線・外房線で多く眼にしてきた明るい水色に塗られていないのも良いです。

何となく御目出度い「長者町」という地名ですが、元は房総の宿場として発展した土地でした。領主阿部播磨守の邸が江戸下谷「長者町」にあったことから長者町と名付けられたということが地名の元でした。1961年(昭和56年)太東町と合併し岬町発足により長者町は廃止。その後いすみ市になっています。駅所在地は、千葉県いすみ市岬町長者。

左、クルマの後に写っているのは別棟のキレイなトイレ。

※2022年1月撮影

残念なことに駅舎の外壁は石膏ボードで改修されています。駅舎の作られた時期は不明ですが筆者の好む「古い木造駅舎」です。

※2022年1月撮影

妻壁・矢切にオリジナルの壁面が残っている様に見えました。

※2022年1月撮影

駅前広場は広く、国道からは少し離れているのでとても静かでした。

※2022年1月撮影

駅前に駐まっていた自家用車も駅に用事と言うよりも、人の来ない場所でノンビリとスマホを操作している様に見えました。ドライバーは一度もクルマから降りるコト無く去って行きました。

※2022年1月撮影

タクシーの運転士さんが車内の消毒をしていました。コロナ・ウイルス感染拡大への警戒意識が高いのです。

※2022年1月撮影

駅舎北側、回廊の庇を支えている木の柱が良いですね。こちら側も矢切部分がオリジナルっぽく感じられます。相対式ホームが見えています。

※2022年1月撮影

正面からは端正な印象。

※2022年1月撮影

駅舎出入口。駅名板が琺瑯(ホーロー)製というのがシブイ。

右側の待合室にはコの字型の作り付け木製ベンチがあって中央に電線の巻き芯のテーブルが置かれていました。有人駅。改札にはICカード簡易改札機。無人の時間帯用なのか乗車駅証明書発行機も設置されています。

※2022年1月撮影

青春18きっぷで入場して構内跨線橋で茂原駅方面ホームに渡って駅舎を眺めました。地元で日に何度もホームアナウンスで耳にする上総一ノ宮駅まではあと二駅です。

※タイトルは『木造駅舎』となっていますが、厳密に「構造として木造建築」の駅舎だけをとりあげているワケではございません。あくまでも筆者が気に入った駅舎を恣意的に選ばせていただいています。外観が明らかに木造建築と異なる場合でも、煩雑を避けるためタイトルは【木造駅舎カタログ】のまま進行いたします。悪しからずご了承ください。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを伝えましょう。ありがとうございます。

(写真・文章/住田至朗)

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