ハーモニーホール座間で不適正使用 市議会が調査委設置へ 前市長の名前明かし、一部市議が反発

座間市役所

 座間市議会は28日、市立市民文化会館(ハーモニーホール座間)で不適正な使用事例があったことを巡り、調査特別委員会の設置を決めた。安海のぞみ氏(無会派)が6月と9月の一般質問で取り上げていた。

 安海氏らによると、昨年5月、遠藤三紀夫前市長が市職員2人を同伴して同会館内の楽屋を手続きをせずに1回利用した。管理者の市スポーツ・文化振興財団は料金(1010円)を徴収しなかった。

 9月1日の2回目の一般質問では、遠藤前市長の個人名を挙げて利用目的などをただした。佐藤弥斗市長は「私の方にも市民から通報があり調査した。同財団理事長から顚末(てんまつ)書を提出してもらって口頭で注意した」と答弁した。

 ただ、遠藤前市長の個人名が明かされたことに一部市議が反発。「市民からの情報による質問で根拠が不明確」などとして沖本浩二氏(ざま大志会)が28日、実名部分の取り消しを求める動議を提出し、賛成多数で可決された。

 動議に法的強制力はなく、安海氏は「この問題は重大であり、市民に説明しなければならない」と応じない考えを表明した。

 一方、調査特別委の設置案が議員提出されて全会一致で可決。発言の妥当性を含めて事実認定が審議されることになった。

 神奈川新聞社の取材に対して遠藤前市長は「海老名、綾瀬の3市で構成する高座清掃施設組合事業でもめ事があり、関係者から頼まれて担当職員に助言した。職場でもよかったが、話の内容から隣接する市民文化会館にした。楽屋も財団の職員に勧められて利用した」と説明した。

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