福井大学工学部が2023年に創立100年…記念館新設など記念事業展開へ 企業や個人から寄付募る

新設する福井大学工学部の100周年記念館のイメージ図(同大提供)

 福井大学工学部は2023年12月に創立100周年を迎えるのに合わせ、記念館新設をはじめとする記念事業を24年度にかけて展開する。工学部の研究支援を目的とした基金創設を含め総額3億円の事業規模を見込む。ものづくり拠点としての研究や発信の機能を高めるため、企業や個人からの寄付を募っている。

 100周年記念館は、文京キャンパス(福井県福井市)東側にある総合研究棟の駐車場一角に新設する。2階建てとし、1階には多目的スペースや自習拠点、ものづくりのワークショップを想定した空間を設ける。2階には打ち合わせスペースや研究成果を掲示するギャラリーなどを見込む。寄付額によるが、総床面積は最大で500平方メートル。

 空間の用途やデザインについては工学部学生に授業の一環でアイデアを発表してもらい、優秀な案を一部採用した。本年度中に詳細設計を行い、23年度末の完成を予定している。

 100周年記念館に隣接する既存の講義室棟は、老朽化が進んでいるため国の予算で本年度中に改修する。工学部で最大規模の2階講義室を「プレゼンテーションホール」(座席数170席)として一新し、記念館と通路でつなぐことで「学会開催など一体的な活用が期待できる」(同大担当者)という。

 記念事業はこのほか、24年6月の記念式典開催や、「工学部100年史」の発刊などを予定している。

 福井一俊・工学部長は「次の100年を見据え、記念事業を工学部発展への弾みとしたい」と寄付への協力を呼び掛けている。

⇒福井大学が実就職率の国立大ランキングで15年連続1位

 寄付は24年度末まで募る。税控除の対象となり、ふるさと納税制度を使った寄付も選べる。寄付方法や記念事業の詳細は特設ホームページにある(「福井大学工学部100周年」で検索)。

 福井大工学部は1923年12月、前身の福井高等工業学校が設立され、49年に同大工学部として再出発した。

© 株式会社福井新聞社