1匹5000円、沖縄県が外来大型ヘビを買い取り やんばるへの拡大防止で捕獲・防除を強化 「タイワンスジオ」

 沖縄県環境部自然保護課は外来種の大型ヘビ「タイワンスジオ」の捕獲・防除を強化している。タイワンスジオは主に沖縄島中部に生息し繁殖していることが分かっているが、これまでの調査から分布が北上している。県は分布域をあらためて調査するために8月18日から1匹5千円、最大100匹の買い取りを始め、9月22日までに4匹が持ち込まれた。買い取りは12月28日まで。

 タイワンスジオは、毒はないが、一般的なハブと比べて体が大きく、小型哺乳類や鳥類を捕食し、生態系に甚大な被害をもたらすと指摘されている。外来生物法で飼養などが規制される特定外来生物に指定され、県対策外来種リストでも重点対策種に指定されている。

 分布域を調査するために環境省は2011年度と12年度、県も18年度と19年度にそれぞれ買い取りを実施した。結果、分布域が恩納村安富祖まで北上していることが明らかになった。

 買い取りとは別に、県は16~19年度に効果的な捕獲手法を探り、20年度に名護市と恩納村で重点的にわなを仕掛けて42匹、21年度にうるま市・沖縄市(中城湾港)、金武町、恩納村で33匹をそれぞれ捕獲した。22年度も4市町村でわなを仕掛けている。

 分布域調査のほか、県は22年度、名護市源河から東村有銘にかけて設けられているマングース用の北上防止第3柵をヘビにも対応する形に改良する。

 希少な固有種が生息する国頭、東、大宜味のやんばる3村にまたがる世界自然遺産登録地への侵入を防ぐためだ。

 タイワンスジオを捕獲する場合、事前に登録する必要がある。問い合わせは県環境科学センター、電話080(1620)4986か、ホームページhttps://www.okinawa-ikimono.com/sujio。 

(安里周悟)【関連記事】
▼ハブのいる島、いない島の差って? 沖縄県民とハブの深い関係とは?
▼【写真特集】沖縄の巨大な生き物たち 見た!釣った!捕まえた!
▼黄金のクワガタ発見 「金粉個体」なぜこんな色に?マニアの高校生が研究 沖縄・辺土名高校
▼「マグロが海に落ちている」ドライブの夫婦 素手で生け捕り
▼一面ピンク色!サンゴの卵、南風に乗って漂着 伊江島・阿良の浜

© 株式会社琉球新報社