「教示」と「教授」の違いって?【正しい日本語解説Vol.18】

社会人になると、新しい言葉を使う機会が増えますよね。使い慣れていない言葉を無理に使い、大事な場面で恥をかいてしまった……。なんていう人も少なくないのでは? そこでTABIZINEでは、知っているようで意外と知らない頻出ワードを徹底解説! 今回は、違いのわかりにくい「教示」と「教授」について、日本語に関する著書も多数手がけている、国語講師の吉田裕子さんに解説してもらいます。

「教示」の意味

「教示」は「きょうじ」と読み、知識や方法を教え示すこと。書き言葉でよく使われます。

【例】

安い航空券を探す方法をご教示ください。

「教授」の意味

「教授」は「きょうじゅ」と読み、学問や技芸を教え授けること。書き言葉でよく使われます。

また、「教授」は大学の教員職のひとつでもあります。

【例】

コンサートホールでのピアノの演奏方法についてご教授ください。

「教示」と「教授」の使い分け方

「教示」は一般的な手順や方法を教えるときや、目上の人が指導するときに使います。「教授」はより専門的な内容を教えるときや、目上が指導することに尊敬の意を込めるときに使います。「教示」は情報を提示する程度のことにも使われますが、「教授」は体系立てて高度な内容を伝達することが中心です。

【クイズ】より適切なのはどっち?

【答え】

1→教示

2→教授

1の正解は教示。パッキング方法は専門的な内容というわけではないので、「教示」がより適切です。

2の正解は教授。地理学は専門的な学問なので、「教授」がより適切です。

監修:吉田裕子先生

国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。

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