<南風>世界との連帯

 台湾有事など戦争の危険が心配されている中で、私は海外との連帯がより一層重要だと考えている。政府に外交を一任しているのは不安だ。また基地問題にしても、政府は沖縄県民の民意を無視している中で、もう海外を味方にするしか沖縄県民には道がないと考えている。私自身も平和外交の活動を始めたいと思っている。これから台湾と沖縄の対話のプロジェクトも立ち上がる予定で、私も呼び掛け人として参加する。

 私は最近初めて国を超えての連帯を経験した。9月24日に大規模な気候正義を求めての行進があるということを、韓国の友人から聞いた。そこで彼女から、日本からも連帯のメッセージを欲しいと言われた。そのため、私が今まで関わった政治家の方や、気候危機の活動をしている方、友人に声を掛けたところ、数多くの方が賛同してくださって、大きな動きを作ることができた。韓国の友人も喜んでいた。こうやってみんなで連帯していくことに私はすごくワクワクした。

 この連帯を経験する中で、私たちに国境は関係ないと感じた。そこで亡くなられたゴルバチョフ氏の言葉が思い出される。彼が2001年に沖縄を訪れた際、若者に向けて色紙に書いた平和のメッセージだ。「世界には困難な問題が多いが、みんなが協力してその問題を解決しなければならない。なぜならば、私たちはみんな同じ地球という惑星の子どもなのだから」。

 気候危機や戦争を止めるには、この考え方が必要不可欠だ。平和な世界にするためには、お互いの違いを理解して、違いを乗り越えて思いやりを持って協働していくことが重要だ。

 前回にも書いた通り賛成と反対を乗り越えた新しいアイデアを、みんなで創る。それができたら良いと考えている。国と国で敵対視するのではなく、隣人として仲良くしていきたい。

(神谷美由希、ゼロエミッションラボ沖縄共同代表)

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