越中さんの“絶筆” 手ぬぐいに 29日から長崎市内2カ所で販売

越中さんの絶筆を使った手ぬぐいと百歳を祝う印章を持つ井村さん(左)と山崎印章の山崎代表=長崎市役所

 昨年9月、99歳で死去した郷土史家の故越中哲也さんの一周忌に合わせ、40年近く交流がある長崎市立山1丁目の井村啓造さん(76)が越中さんの“絶筆”を使った手ぬぐいを作った。29日から市内2カ所で販売する。限定800枚。
 井村さんは、諏訪神社の秋の大祭「長崎くんち」への思いを形で残そうと、2020年から手ぬぐいを制作。昨年5月、手ぬぐいに使う言葉の執筆を越中さんに依頼。「長崎くんちは万々歳よ」と言いながら、「くんち」「百歳越中哲也」の文字を書いたという。
 手ぬぐいには越中さんの文字をはじめ、その時に話していた「萬々(万々)歳」、越中さんが好きだった言葉「天晴(あっぱ)れ」を井村さんが加筆。100歳を前に作っていた「越中百壽」の印も押した。生地の赤は越中さんの指定。「くんちが中止の時は怒りに燃える赤を」と話していたという。
 井村さんは「とてもお世話になったので一周忌に何か残るものを作りたかった。多くのファンに届いてほしい」と話した。
 1枚千円。長崎市桜町の山崎印章(電095.824.1092)、上西山町の諏訪神社くんち踊馬場さじき運営委員会(電095.821.8596)で販売する。


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