「ニセ電話詐欺」被害阻止した功労者にクオカード 九州初、長崎県警が10月から報奨制度

 ニセ電話詐欺の被害を防ぐ水際対策として、長崎県警は26日、被害を阻止した功労者に2千円分のクオカードを贈る報奨制度の運用を10月から始めると明らかにした。
 県議会総務委員会で川崎祥司委員(公明)に宮下直樹生活安全企画課長が答えた。同課によると、長野や島根県警が同様の取り組みを始めており、九州では初めてという。
 同課によると、今年1~8月の被害認知件数は73件(前年同期比12件増)。被害総額は約1億6700万円。うち約半数の35件が、コンビニなどで被害者に購入させた電子マネーのID番号を伝えさせ、利用権をだまし取る手口だった。一方、阻止した件数も103件に上っており、水際対策の重要性は増している。
 報奨制度は、コンビニ店員らに積極的に声かけをしてもらい、被害阻止につなげる狙い。金融機関のATMから振り込ませる手口を食い止めたケースなども対象となる。事案を警察に届け出てもらう。
 このほか県警はコンビニ大手セブン-イレブンの県内520店舗の店長ら店舗責任者を対象に10月から研修会を実施。外国人の店員向けに英語、中国語、ベトナム語の被害抑止マニュアルも作成し、配布する。
 同課は「自動通話録音機の設置促進をはじめとする被疑者からの電話がつながりにくい環境づくり、関係機関・団体と連携した広報啓発、金融機関などの声かけによる水際対策を被害防止対策の3本柱として積極的に推進していく」としている。


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