高精度な危険度予測や効果的な対策の立案に寄与する土石流流木氾濫予測システムを開発しました。

株式会社建設技術研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中村哲己)は、土石流による流木の氾濫範囲の予測精度向上と効果的な流木対策施設計画の立案に寄与する流木氾濫予測システムを開発しました。

1.土石流に伴う流木対策における課題
近年、土石流による流木流出の被害が顕在化しています。土砂と一体となって流下する流木は、堆積過程、分離過程、再移動過程等が十分に解明できていないため、流木の実態に則した適切な対策の立案が課題でした。

2.開発した予測システムの概要
流木の氾濫・堆積状況のモデル化では、渓流で発生した土石流による土砂流出量と流木流出量は概ね比例することに着目し、流木・土砂の堆積と侵食過程を流木濃度で管理する流木解析モデルを開発しました。
流木解析モデルを用いて同条件で行った実験結果と比較した結果、開発した流木解析モデルは、流木の移動範囲や集積状況を量的な追跡が可能であることを明らかにしました。

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3.今後の展望__
本技術を活用し、流木災害危険度予測の高精度化や効果的な対策施設計画の立案を通じて、土石流に起因する土砂災害の防止・軽減に貢献します。また、受託業務で得られる知見や実績を蓄積し、活用範囲を拡大するとともに、さらなる精度向上に向けて研究開発を継続していきます。

【 水理模型実験の流木数値シミュレーションによる再現計算の実施例 】
水理模型実験と解析による再現計算の比較結果

【 実地形による流木数値シミュレーションの計算例 】