【おもしろネタ】“きのこ”の効果に驚きの発見、食事を作る人も“整える”があった!

2年半が経過するコロナ禍や生活様式の大きな変化、国際紛争に伴う社会不安などストレスの多い現代社会。7割以上の人が「最近何か不安を感じている」と回答している(※1)。また子育てをする女性も6割以上が不安疲労を感じる(※2)など、将来や生活そのもの、自分自身や家族の心身の関する不安が増加している。

そんなコロナ禍の外出自粛の影響もあり、自炊や、総菜などを購入し自宅で食べる中食が増加した(※3)。また健康への意識も高まり、もともと健康意識が高かった人とコロナ禍前と比べて健康意識が高まった人の合計は全体の約9割に上る。そして健康面で最も変化した意識は「食事の栄養面に気を付けるようになった」ことで、健康=食事からという意識が顕著に表れている。(※4)

それに呼応するように現在スーパーには様々な健康商品が並んでいるが、きのこは約9割が「体に良い食材であると思う」と回答する代表的な健康食材(※ドゥ・ハウス インターネット調査:2021年10月)。「菌類」であるきのこは100gあたり約20kcalと低カロリーで、ビタミンB群やビタミンD、食物繊維、ミネラル等が豊富な食材。特に食物繊維には腸内環境を整える効果があり、腸には免疫細胞の約7割が集まっていることから、免疫力の維持にも効果が期待できる。実際、多くの実験で、きのこが腸内環境を整える効果について実証されている。

■健康を考える「食事をつくる人」の家事負担やストレスに注目
一方コロナ禍で家事をする時間・料理の頻度・家事の負担は、いずれも5割以上が「増加した」と回答(※5)。さらに8割以上が料理をストレスと感じている(※6)。そんな「食事をつくる人」を癒し整える、きのこの驚くべき新効果が発見された!

きのこは、家庭で調理する方にとっては比較的身近な食材。ただそんなきのこは「菌類」であることから、野菜にはあまりみられない柔らかさと硬さを兼ね備えた独特な“さわり心地”があり、調理の過程でも、割いたり、ほぐしたりというきのこならではの独特の工程がある。

これら「割く」「ほぐす」などの「手指を使う運動」については、“「気が重い」「無気力」といった不快感を軽減する効果(※7)” や “柔らかいものとの接触により、脳内でストレス緩和効果のあるオキシトシンが分泌される(※8)”など多くの研究がされていることから、きのこは調理の時点から、心理的な不快感を解消する効果があるのではないかと仮定し、生理的影響について検証した。

■検証方法と結果
【測定項目】
実験前後の心拍数と唾液アミラーゼを測定

※心拍数:心臓は交感神経と迷走神経(副交感神経)による二重支配を受けており、興奮時には交感神経が働き心拍数を上昇させ、リラックス時には副交感神経が働き心拍数を低下させる。

※唾液アミラーゼ:唾液腺におけるα- アミラーゼ分泌(唾液アミラーゼ)は交感神経の制御を受けるためストレスの指標としても用いられている。

【被験者】
20~50代の健康な成人女性5名

【実験方法】
被験者はまず口をすすぎ、5分座位安静を保つ。5分後、心拍数、唾液アミラーゼを測定。その後、5分間、エリンギもしくはブナシメジ200gを割く。その後、実験直後、5分、10分後それぞれの心拍数、唾液アミラーゼを測定した。

【結果と考察】
○心拍数の変化

5分間きのこを割いた後の心拍数の変化を測定したところ、全被験者において、きのこを割いた直後に心拍数の低下がみられた。

○唾液アミラーゼの変化

5分間きのこを割いた後の唾液アミラーゼを測定したところ、直後、5分後において、5人中4人の被験者において、変化なし、もしくは唾液アミラーゼの数値が減少した。

調査機関:ホクト調べ
実験期間:2022年9月16日・21日

【結論】
心拍数や唾液アミラーゼの数値変化から、きのこを「割く」「ほぐす」ことにより交感神経の働きが抑制され、副交感神経の働きが促進された可能性が示唆された。
きのこは食材として腸を整えたり体調管理に役立ったりする側面があり、一般的な印象としても「健康に良い」というイメージを持たれているが、「食べる」ことに限らず、「料理中」から、ストレス緩和やリラクゼーション的役割も果たす可能性がある。

健康食材の代表格「きのこ」は、食べる人はもちろん、料理をする人までリラックスさせスッキリと整える超スーパー食材である可能性が!調理の際はぜひ「割いたり」「ほぐしたり」してみてはいかが。

■以下参考文献など
【きのこの栄養効果】
きのこなどの「菌食材」を食生活に取り入れ、健康な毎日を目指す活動である「菌活」が注目を集めているが、「菌活」の認知または実践率は年々増加し、現在約7割以上の方が「菌活」を認知または実践しています。
中でも「きのこ」は菌糸と呼ばれる細胞が集まってできた食材であり、菌そのものだけを食べられる唯一の食材。「菌100%」と表現することもでき、「菌食材の王様」とも呼ばれています。また「菌類」であることや豊富な食物繊維を含むこと等から、腸内細菌叢(腸内フローラ)の善玉菌を増やして腸内環境を整える効果も確認されており、健康に役立つ食材の一つとして注目を集めています。
また、菌類であるきのこは、野菜には含まれないビタミンB群、ビタミンDも豊富で、菌類特有の免疫活性物質βグルカンや、抗酸化成分エルゴチオネインも豊富に含んでいます。現在流通されているきのこの多くが工場栽培であることから、通年を通して購入できる点も大きなメリットのひとつです。

■参考文献
(※1)セコム株式会社 第10回「日本人の不安に関する意識調査」
https://www.secom.co.jp/corporate/release/2021/pdf_DL/nr_20211202.pdf

(※2)コロナ禍で7割の母親に不安疲労…第5波以降の症状悪化9割超
https://resemom.jp/article/2021/09/28/63711.html

(※3)コロナ下で約6割が自炊増加、若年層ほど顕著 理由8割が「感染予防で外出控えた」
https://eczine.jp/news/detail/8364

(※4)第7波到来、コロナ禍により健康意識が高まり、オーガニックの需要も増加!約半数がオーガニック商品の購入機会が増えたと回答
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000039912.html

(※5)コロナ禍でママたちに降りかかった5重苦とは?
https://dentsu-ho.com/articles/8248

(※6)8割が「家庭での料理がストレス」と回答 長期化するおうち時間で“スマート調味料”に期待の声
https://www.mizkan.co.jp/company/news/detail/220328-70.html

(※7)手指の運動を伴う遊びが覚醒水準に与える影響について(野田 さとみ)
https://nagoya-wu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=1443&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

(※8)身体接触によるこころの癒し
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/64/3/64_132/_article/-char/ja/

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