10月から最大10%以上も値上がりするお酒。メーカー別の値上げ率と対策方法をお金のプロが解説

食べ物がおいしい秋を迎えました。コロナの影響で、家で宅飲みを楽しむ人も多く、おいしい食事に合う、お酒を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

しかし、10月からは、ビールをはじめとする様々なお酒の価格が上がります。さらに、10月に値上げとなるのは、お酒だけではありません。食品だけでも6500品目超、都市ガスや火災保険料など、生活するのに欠かせない料金もアップする見通しです。

何もしなくても家計費が膨らむ傾向となっており「今までのようにお酒が楽しめなくなりそう…」と感じている方も中にはいらっしゃることでしょう。

そこで、今回は2022年10月から値上げされるお酒の情報をまとめ、あわせて、お酒の値上げ対策についても紹介します。


10月から値上がりするお酒の価格上昇について

10月1日から、アサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリーの大手4社のお酒が、揃って値上げされます。大麦やトウモロコシなどのお酒の原材料価格をはじめ、アルミニウムなどの資材価格、製造にかかるエネルギー、物流価格など、ありとあらゆるコストが上昇していることが理由になります。対象商品は、ビール、発泡酒、第三のビール、チュウハイ、サワー、ウイスキーなど、さまざまなものに及びます。

キリンビール

ビール類や輸入ウイスキーなどの店頭想定価格は6~13%値上げされます。対象となる商品は、278品目あり、ビール類「キリン一番搾り生ビール」「本麒麟(キリン)」、缶チューハイ「氷結®」や缶カクテル、缶ハイボールなどの低アルコール飲料、ノンアルコール飲料「キリン 零ICHI」などがあります。

アサヒビール

ビール類152品目と、国産ウイスキー10品目、店頭想定価格は6~10%値上げされます。対象となる商品は、ビール類「スーパードライ」、缶チューハイ「贅沢搾り」、国産ウイスキー「シングルモルト余市」などがあります。

サッポロビール

ビール類と缶チューハイ・サワーなどの121品目が、店頭想定価格にして4~12%の上昇が見込まれます。対象となる商品は、ビール類「サッポロ生ビール黒ラベル」「ヱビスビール」、缶チューハイ「サッポロ濃いめのレモンサワー」、業務用の樽詰め商品「サッポロ氷彩サワー樽詰」などがあります。

サントリー

ビール類が63品目、缶チューハイ・サワーなどが93品目、合計156品目が値上げされます。ビール類の店頭想定価格は6~10%、缶チューハイなどの店頭想定価格は2~6%、それぞれ上昇する予定です。対象商品は、ビール類「ザ・プレミアム・モルツ」「金麦」、缶チューハイ「こだわり酒場のレモンサワー」「ハイボール缶」などがあります。なお、価格が変わらない商品は「パーフェクトサントリービール(缶)」「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈無濾過〉(缶)」「ビールギフトセット」です。

各メーカーの値上げ情報を次のようにまとめました。

10月に予定されている種類などの値上げ一覧表

筆者作成

各社揃って、約4~12%値上げとなりそうです。次ページでは、値上げ対策を3案まとめました。

お酒の値上げ対策その1:ふるさと納税を活用する

ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体(都道府県・市区町村)に「寄附」をして、そのお返しとして好きな特産品を受け取る制度です。

ふるさと納税では原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となり、税金の還付や控除が受けられます。原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となり、税金の還付や控除が受けられ、寄付金額の3割を上限に地域の特産品を返礼品として送ってもらえます。

この特産品の中には、各地域が誇るご当地ビール、地酒など豊富に揃っています。

寄付金2万円を目安に、ビール24本が返礼品となる、お得なふるさと納税を3つ紹介します。

ちょっとした旅行気分も味わえますね。

なお、ふるさと納税の全額控除となる寄附金額は、収入や家族構成ごとに一定の上限があります。2022年分は、12月末までが期限となっています。また、ふるさと納税で、所得税・住民税から控除を受けるためには、原則として確定申告が必要です。ただし、ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内である場合に限り、寄付先の自治体が5つまでであれば、「ワンストップ特例の適用」で手続きすることができます。

お酒の値上げ対策その2:ポイ活をしながらセールでまとめ買い

スーパーやドラッグストアなどが、お酒が値上げされるタイミングを機会に、さまざまなセールをするはずです。そのようなタイミングで、お酒をまとめ買いする方法があります。その際、ポイントがお得に付く日をチェックして、賢くポイントを貯めましょう。

たとえば、全国どこにでもあるイオンには「ポイントUPデー」があります。イオンの基本ポイントは、200円(税込み)ごとに1ポイント。ポイントUPデーでは、2~5倍のポイントがつきます。毎月行われているものは、以下のとおりです。

・毎月5日・15日・25日のお客様わくわくデーは、基本ポイントの2倍がつきます。
・毎月10日のありが10デーは、基本ポイントの5倍がつきます。

また「お酒のまとめ買いは重いから…」という人は、アマゾンが不定期に行っているポイントアップキャンペーンがおすすめです。最大10%が還元となるキャンペーンです。この場合、キャンペーンにエントリーして、合計1万円(税込み)以上の買い物をすることと、以下の条件をクリアーすることが必要です。

・Amazonショッピングアプリで買い物をすると+0.5%
・Amazonマスターカードで支払うと+3%
・食品・飲料・お酒のカテゴリーの商品を購入する+4.5%

ポイントの還元率でいうなら、楽天ペイのキャッシュレス決済がおすすめです。たとえば、楽天ペイは楽天カードからのチャージで0.5%、楽天ペイで支払うと1%のポイントがつき、2重取りできます。さらに、楽天ポイントカードを提示すると0.5~1%のポイントが上乗せされ、3重取りも可能に。合計ポイントは、2~2.5%となります。

また、楽天市場では、楽天スーパーSALE、お買い物マラソンといったキャンペーンが開催されており、主なものは以下のとおりです。

・毎月5・10・15・20・25・30日のように「5・0」のつく日は、エントリーと楽天カードを使うことで、ポイントが+5倍
・毎月1日はワンダフルデー。エントリーをして、3000円(税込み)以上のお買い物をすると、ポイント+3倍

このように、ポイント狙いでまとめて買い物をすれば、ポイントの循環が生まれ、節約につながります。ただし、ポイ活が目的になりすぎると、ムダなものまで買いすぎることにもなります。予算や必要なものを決めてから買い物をするようにしましょう。

お酒の値上げ対策その3:サブスク(サブスクリプション)を利用する

サブスクとは、サブスクリプションの略語で、製品やサービスを一定期間ごとに一定の金額(利用料)で提供するビジネスモデルです。さまざまなものがありますが、お酒のサブスクにもお得なものが豊富にあります。大きく分けると「宅飲みを楽しむ配送型のサブスク」「居酒屋で楽しむ店舗型サブスク」の2つがあります。

宅飲みを楽しむ配送型サブスク

宅飲み派の方には、お酒が自宅に届く配送型サブスクがおすすめです。国内有名ビールメーカーのビールをはじめ、日本国内の地ビールやクラフトビール、滅多に飲めない外国のクラフトビールなど、多種多様サブスクがあります。自分の好みのものビールが毎月届くのはワクワクしますね。

ビールのサブスクの月額料金は、安いものから高いものまで幅広くあります。毎月のビール予算にあわせ試してみるとよいでしょう。注意点としては、最低利用期間、利用回数が決まっていることです。契約内容を確認しておかないと、途中解約できなかったり、解約金を支払うことになったりとムダなお金を支払うことになってしまいます。

まず試してみる際は、最低利用期間・利用回数などの制約が低いものを選んでみるとよいのではないでしょうか。おすすめを選んでみました。

居酒屋で楽しむ店舗型サブスク

居酒屋に行くことがある方には、定額料金で毎日1杯の乾杯ドリンクの提供を受けられるサブスクがおすすめです。月額980円~1500円と利用料金が安いため、1回だけの利用でも満足できそうです。ごくたまに、外でのお酒を楽しみたい方向けのサービスといえます。注意点としては、その他の料理などを食べたり、追加でドリンクを頼んだりすれば、かかる費用が多くなります。ドリンクは1杯だけ、予算は○○円以内など、ルールを決めて利用するとよいでしょう。

お酒の嗜み方を考える

食欲の秋ですが、今年は、さまざまな食品とあわせてお酒も値上がりし、ほろ苦い秋ともいわれています。お酒は嗜好品ということもあり、他の食品と比べれば優先順位も低く、我慢が必要となるかもしれません。しかし、今までより、飲む頻度を抑え、少しこだわってみるという味わい方もよいかもしれません。

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