10年ぶりのWRCラリー・ニュージーランド開幕。初日首位はタナク、勝田貴元が4番手

 ニュージーランド最大の都市、オークランドを中心に開催されるWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』が9月29日に開幕。同日、競技初日のSS1が行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)がトップタイムをマークし、デイ1総合首位となった。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合4番手につけている。

 2012年を最後に途絶えていたWRCニュージーランド・ラウンドが復活を果たした。シーズン終盤の第11戦のスロットに入った同イベントは29日に開幕し、シェイクダウンとセレモニアルスタートに続き、オークランドの歴史博物館の敷地内に設定された、全長1.78kmのショートターマック(舗装路)ステージでオープニングSSとなるスーパーSSが行われた。

 グラベル(未舗装路)イベントにおける唯一のフルターマックステージとなったこのSS1では、直近3戦で2勝と2位表彰台を獲得しているタナクがリードを奪い、コンマ9秒差でMスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)が続いた。ダンプ路面で始まった同ステージにおいて15番目の出走となったタナクは、路面が徐々に乾いていく利を最大限に活用してみせた。

 ヒョンデの“ダブルエース”の一角であり、前戦ギリシャで今季初優勝を飾ったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は僚友から1.6秒遅れての総合3番手に。そこからコンマ4秒差の総合4番手に勝田が入った。

 5番手はTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)で、前を行く勝田とはコンマ2秒差。シェイクダウンでは最速タイムを記録した選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は初日をトップと2.6秒差の総合6番手で終えた。

 トヨタのワークスカー3台目を駆る“現王者”セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、Mスポーツのガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)を間に挟んで総合8番手に。

 オジエと同タイムで並んだオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)は総合9番手。首位タナクとのギャップは4.5秒だ。トップ10リーダーボードの最後の枠には、WRC2リーダーのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が入った。

 本格的なグラベルラリーが始まる競技2日目のデイ2は、オークランドから約150km南に位置するエリアを舞台に伝統的な3つのステージでSS2~7が行われる。この日のステージ延長は158.56kmとラリー全体の半分以上を占めるが、日中のサービスの設定がないため、選手たちはタイヤフィッティングゾーンでの簡単な整備作業のみで長丁場の戦いをこなさなくてはならない。

クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第11戦ラリー・ニュージーランド
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第11戦ラリー・ニュージーランド
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第11戦ラリー・ニュージーランド
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第11戦ラリー・ニュージーランド
ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第11戦ラリー・ニュージーランド
セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第11戦ラリー・ニュージーランド

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