累計来場者数100万人「アサヒビール園」で感謝イベント 閉店迫り「寂しい」「財産失われる」

市観光協会の感謝イベントでビールを堪能する女性客=28日、南足柄市怒田

 来年1月末で閉鎖されるアサヒビール神奈川工場(神奈川県南足柄市怒田)敷地内で工場直送のビールなどが楽しめるレストラン「アサヒビール園神奈川・足柄店」が30日、閉店する。市観光協会は28日、20年にわたって親しまれてきた同店に感謝するイベントを開き、加藤修平市長や市内外の“アサヒビールファン”ら約50人が駆けつけ、「思い出の地が無くなるのは寂しい」と閉店を惜しんでいた。

 同店は2002年7月にオープンした。県産ブランドの足柄牛の焼き肉とともに「スーパードライ」などが味わえると好評で、累計来場者数は100万人を超えている。佐藤仁泰支配人(56)は「観光客や地元の方々に支えられた20年間。閉店は残念ですが、引き続きアサヒビールのファンであってほしい」とあいさつした。

 先着で受け付けた同イベントは、募集開始から1時間足らずで満席に。ジャズの生演奏を聴きながらビールを堪能する客でにぎわう中、加藤市長は「市の発展に大きな貢献をしていただき深く感謝している。近隣市町からも親しまれてきた場所で名残惜しい」と支配人へ花束を贈呈すると、会場からは拍手が送られた。

 人気だった工場見学が昨年終了したことに続き、同店も閉店することになり、市観光協会の吉澤賢治会長(52)は「市内観光スポットの中でも重要な場所だった。市の財産が一つ失われてしまうことになる」と肩を落とす。

 小田原市から訪れた山田和子さん(66)は「おいしいビールが飲めるお気に入りの場所で、年に2、3回来ていた」と話し、真鶴町から訪れた青山陽子さん(65)は「友人や仲間が集まる拠点でもあったので、やっぱり寂しい」と漏らしていた。

 最終日の30日は午前11時半~午後3時まで。予約で6割ほど埋まっているため、約4割の客席を当日枠として営業する。問い合わせは同店電話0465(70)5251。

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