神奈川県でおれおれ詐欺急増 8月、5年5カ月ぶり高水準

神奈川県警本部

 県警が8月に認知した特殊詐欺の統計(暫定値)で、息子や孫に成り済ます「おれおれ詐欺」の件数が91件(前月比40件増)と急増し、2017年3月以来、5年5カ月ぶりの高水準に達したことが、県警のまとめで分かった。被害額は前月比約5200万円増の約1億9700万円に上った。手口別でも全体の件数の5割近くを占め、4カ月ぶりに最多となった。

 特殊詐欺全体の件数は、同49件増の198件で2カ月ぶりに増え、被害額も同約8600万円増の約3億8500万円と4カ月ぶりに増加に転じた。

 ほかの手口では、医療費などの還付金名目で現金を振り込ませる「還付金詐欺」が同4件減の62件(被害額約7100万円)で、全体の約3割を占めた。キャッシュカードを詐取したり、別のカードにすり替えて盗んだりして現金を引き出す手口は、合わせて同8件増の34件(被害額約2300万円)と増加した。

 架空の未払い料金を口実にする「架空請求詐欺」が同4件増の9件で、被害額が同約8900万円増の約9100万円と急増した。

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