<竹川知佳記者>
「静岡の代表的ご当地グルメ、『富士宮やきそば』が缶詰になりしまた」
今回のしずおか産は、お土産にも防災の備えにもなる「富士宮やきそばの缶詰」です。「富士宮やきそば」は2006年、2007年のB−1グランプリで2年連続グランプリを獲得し、殿堂入りを果たした「ご当地グルメ」の王者!その味は缶詰になっても健在です。
<竹川記者>
「開けた瞬間、濃厚なソースの香りがします。麺がモチモチで美味しいです。肉かすの風味もしっかりしていて、缶詰とは思えない美味しさです」
静岡県清水区に本社を置く老舗缶詰メーカーです。やきとりの缶詰は半世紀にわたるロングセラー商品。「富士宮やきそばの缶詰」は開発に2年ほどかけ、2022年8月に販売を始めました。
<ホテイフーズコーポレーション 開発部 神谷有香さん>
「時期的にコロナ禍ということもあって観光が非常に落ち込んでいるということもあり、静岡に拠点を置く弊社として何かできないかということで富士宮やきそばを缶詰にしてみようと考えました」
しかし、やきそばの缶詰のノウハウはありませんでした。
<ホテイフーズ 神谷有香さん>
「缶詰で麺というと、こんにゃく麺が定説なので、こんにゃく麺でスタートすることを考えていて、そんなに難しくはないかなと思っていました」
やきそばの麺を「こんにゃく」で代用する提案に富士宮やきそばのブランド管理を行う会社側はー
<監修を担当したプロシューマー渡邉研介社長>
「富士宮やきそばというコシのある麺というイメージとはちょっと違いましたのでコシのある麺をどうにか再現できないでしょうかというご要望を弊社がさせていただきました」
「富士宮やきそば」は、コシのあるモチモチとした麺に豚の背油を搾った肉かす、そしてイワシを削った「だし粉」をふりかけます。最大の課題は麺…そこで「冷凍の富士宮やきそば」を製造する焼津市の食品メーカーに話を持ち込みました。
<昭和ミート 水谷賢司社長>
「業界初というのは後から聞いたんですけども。麺が長すぎると缶詰に入りにくいし、水分多いと缶の中でべちゃべちゃになるんで長さや硬さや、あと具の大きさも缶詰用に作っています」
麺の水分量や卵白の量を調整し、缶詰用に開発した麺は長さ7cmほど。缶詰に麺を詰める時に麺同士が絡まない長さで、箸でほぐしやすいという食べやすさにも繋がりました。
また、具材のキャベツは普段、4cmにカットしていますが、1cmにして麺や肉かすとしっかり混ざるようにしました。味付けは3種類のソース。だし粉もふりかけて小さな缶詰の中に「富士宮やきそば」を再現しました。
<昭和ミート 水谷賢司社長>
「この話やめようかって何回も思ったんですけど、まあ、乗りかかった船なんで最後までやっていこうよということで、まあ面白がってやってました僕らも」
「富士宮やきそばの缶詰」は前例がないことに楽しんで取り組む企業が知恵と技術を出し合い、缶の中に「地元愛」を詰めました。
<プロシューマー 渡邉研介社長>
「とてもおいしく素晴らしい完成度だったと思う。こしがある麺が再現されていて、だし粉の風味もありましたし、これはひと口食べて『富士宮やきそば』だなと感じていただける商品を作って頂けたと…。全国いろんな方が富士宮に足を運んでいただけたらと思っております」