石野真子主演, 鈴木福, 川島海荷, しゅはまはるみ, 羽場裕一 出演 舞台『きっとこれもリハーサル』家族の想い、絆、そして愛。

ハートフル“お葬式”コメディ、舞台『きっとこれもリハーサル』が好評上演中だ。

冠婚葬祭、その”葬”はもちろん葬式のこと。出だしは妻の弘江(石野真子)が口ずさみながら夫である昭雄(羽場裕一)の遺影を持って登場、妙に張り切っていて、なんだか楽しそう。葬儀屋の斎藤美香(しゅはまはるみ)が登場し、二人で葬儀の準備について話をしている。ん???棺桶から昭雄が顔を出す、ホラーではなく、タイトルが示す通り、葬儀のリハーサル、自分が死人役ということに対して不満の様子。

弘江は娘の泉美(川島海荷)に電話、線香を買ってくるように言う。そんな時に息子の賢一(鈴木福)がなぜかケーキを持って帰ってくる。そのケーキを葬儀屋の斎藤と夫の昭雄が楽しく食べる。葬儀の練習と日常が同居、なんとも言えない雰囲気(笑)。そこへ泉美が線香を買って帰ってくる。登場人物全て揃った!
このリハーサル、プロモーションのために収録という名目、固定カメラを回す。故人役の昭雄、故人の妻役の弘江、喪主役の賢一、なぜか僧侶役の泉美、そして葬儀屋の斎藤は葬儀に訪れた弔問客役、しかも問題多い、という設定。

もう見た目がコメディ、また、花入れの儀、つまり、遺族や親族、生前に深い親交のあった友人などが棺にお花を入れ、故人と最後のお別れをする機会。 喪主、遺族、親族などの順に一輪ずつお花を持ち、棺に入れる。リハーサルなので…喪主役の賢一は「お疲れ様」と言ってポイと花を(笑)、昭雄は、そのいい加減さに起き上がり抗議(笑)。そんなこんなの細かい笑いを入れているので、客席からは頻繁に笑いが起こる。極め付けは斎藤が演じる葬儀に訪れた弔問客、大袈裟に泣き喚く、客席ウケる、ウケる。だが、この花入れの儀で泉美と賢一の秘密が明らかに。怒る父・昭雄、昭雄の「昭」は昭和の昭、名前が示す通り、昭和な頑固親父、しかも和菓子職人。リアクションも昭和!

対する母の弘江はかなりの年齢なはずなのに可愛い風貌(やはり石野真子だから!)、挙動も可愛らしく、しかもなぜか子供たちの秘密を知ってる。次々と言い当てて子供たちは頭の上には「?」マーク。家族だけど、わかっているようでわかっていない、そんな彼らの姿が浮かび上がってくる。

勘が働く観客なら、なんとなくオチも見えるかもしれないが、それぞれの気持ちや想い、それが、ちょっとのことですれ違ったり。向き合っているようで向き合っていなかった家族。その心の機微、誰しもが思い当たるかもしれないこと、日常の風景に葬式のリハーサルを掛け合わせて見せる。葬式、つまり誰かが亡くなって、その死を悼むこと、悲劇と喜劇は背中合わせ、笑いながら、最後はほろり。人情喜劇な「これもきっとリハーサル」、観終わった後は誰かを想う、そんな舞台であった。

あらすじ
喪主の練習がしたいの。あなた、付き合って。
ある日突然、「喪主の練習をしたい」と言い始めた母。
ご近所さんのお葬式がグダグダで、本当に酷かったらしく、「自分が喪主をする時に、ああはなりたくない」と、近所の葬儀屋と手を組んで、一からお葬式を学んでいく。

「なんで俺が先に亡くなる前提なんだ!」と怒りながら白装束をまとう父、親になかなか言い出せない秘密を抱えた姉、大学受験を辞めようとしている弟。

バラバラの方向を見ている家族が、やる気が空回りする葬儀プランナーの指示のもと、お葬式のリハーサルをやらされることになるのだが……。

ちゃんと話さなきゃわからないよ、家族でも。見ようとしなかったら、なんも見えない。

概要
『きっとこれもリハーサル』
日程・会場
東京:2022年9月29日(木)〜10月13日(木) 新国立劇場 小劇場
大阪:2022年10月22日(土) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
潤色・演出:土田英生
脚本:赤松新
出演:
石野真子
鈴木福
川島海荷
しゅはまはるみ
羽場裕一

公式サイト: http://koreriha.com/

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