寝たきり高齢者へのカット実演 佐世保で理容師向けセミナー

寝たきりの利用者を想定してカットを実演する大桃さん(左)=佐世保市光月町、市体育文化館コミュニティセンター

 訪問福祉理容が専門の理容師、大桃祐一さん(54)=東京都=が26日、長崎県佐世保市内で理容師向けセミナーを開き、寝たきりの高齢者などを対象にしたカットやシャンプーを実演した。高齢化が進み、訪問福祉理容の需要が高まるとみて「受け皿を作り、今から(技術や道具を)準備した対応が重要」と指摘した。
 県理容生活衛生同業組合が主催。質の高い理容サービスの提供に向け、理容師に技術を身に付けてもらう狙い。長崎、諫早両市でも開き、今年3回目。佐世保市や平戸市などから約55人が参加した。
 ベットに横たわる利用者をシャンプーする時は、頭の下に吸水する介護用シーツを引いてぬれないようにするなど、サロンにない特有の対応策を紹介。大桃さんは、認知症の利用者への接客では「急がせたり、自尊心を傷つけたりしない心得が必要」と話した。
 平戸市の理容師で、訪問福祉理容に携わる井手信(のぶ)さん(61)は「自分がしていないケアがあり、勉強になった。今後取り入れられたら」と話した。


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