しぼんだ「桃」ピーチピチに復活 岡山駅前商店街入り口のオブジェ

元通りになった桃のオブジェ

 岡山駅前商店街(岡山市北区駅前町)入り口のアーケードにつるしてあり、今夏の大雨の日にしぼんだ桃のオブジェが元気を取り戻した。新調される予定だったが“自力”で復活し、代替わりはお預けとなった。

 オブジェは高さ1.8メートル、幅2.5メートルのビニール製で、2017年に岡山駅前商店街振興組合が設置。送風機で風を送り続け、桃の実と緑の葉をふっくらと表現してきた。

 8月5日、異変が起きた。雷雨で商店街は浸水に見舞われ、天井近くに取り付けていた送風機も何らかの理由で機能が停止。桃はあれよあれよという間にしおれ、痛々しい姿はSNS(交流サイト)で話題となった。

 桃の設置から5年。劣化もあって組合は10月に新バージョンに取り換える予定だった。ところが9月上旬、人の手を借りずに元の姿に戻っているのを関係者が確認。送風機が動き出した経緯は分かっていないものの、土居和正理事長(53)は「延命に向けて頑張ってくれたから」と、しばらく様子を見ることにした。

 新型コロナウイルスの流行「第7波」は県内で収束局面に入ったとみられ、旅行需要も回復傾向にある。組合は年内中にオブジェの化粧直しを行うとともに、桃太郎にちなんだ新たなアイデアを打ち出して、国内外からの観光客を迎えることにしている。

しぼんだ状態の姿=8月19日
岡山駅前商店街入り口のアーケード

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