21年度自社使用の電力 アイ・ホーム(宮崎市)再エネ100%達成

 注文住宅を手がけるアイ・ホーム(宮崎市、宜野座俊彦社長)が、2021年度に自社で使用した電力の再生可能エネルギー率100%を達成した。再エネで全ての電力を賄うことを目指す「RE Action(アールイー・アクション)」で認証された。達成は県内初。

 「RE Action」は国際的な企業連合「RE100」の中小企業版。事務局によると、19年の発足時に28団体だった参加企業は右肩上がりで増加し、今年6月24日時点で国内279団体に上る。
 アイ・ホームは20年11月から参加している。県内事務所(倉庫含む)16カ所のほか、住宅建設時に必要な電気を合わせた全電力が対象となるため、自社ビル屋根に設置した太陽光発電だけで全てを賄うのは難しい。
 そのため、小売電気事業者「エバーグリーン・リテイリング」(東京)と契約し、再エネ電力を購入。また、温室効果ガスの量に応じて売買可能なクレジットを発行する「J-クレジット制度」などを利用して、総電力17万3752キロワット時の再エネ100%を達成した。
 宜野座社長は「お客さまにクリーンエネルギーを活用した家を提供している私たちが、事務所の電力にも気を使うのは当然のこと。達成できて良かった」と笑顔。「世の中の流れが脱炭素、SDGs(持続可能な開発目標)推進へと向かう中、ゆくゆくは融資の優遇なども出てくるのでは」と見据えており、次は自動車ガソリンなども含む「サプライチェーン(供給網)排出量」ゼロを目指す。(樋口由香)

RE100
 太陽光や風力など再生可能エネルギーで、事業に使う全ての電力を賄うことを宣言する国際的な企業連合。2014年に英国の非政府組織(NGO)が中心となって設立した。遅くとも50年までの達成を目指すことが主な加盟条件。米IT大手アップルとグーグル、スウェーデン家具大手イケアなどが名を連ねる。

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