値上げラッシュの10月…飲食店も困惑 あの激安弁当は? 広島

10月は再び値上げのラッシュです。中でもビールは前代未聞の値上げ幅で飲食店も困惑です。

斉藤俊幸記者「仕事終わりはやっぱりビールに限る!ただ値上げの嵐はここにも押し寄せています」

横川駅のすぐ近くに店を構える居酒屋「赤まる」には仕事終わりの一杯を求めて多くの客で賑わいます。

看板メニューは黄金色に輝くビール。しかしそのビールなどの酒類は10月から仕入れ価格が値上がりしてしまいます。

あかまる商店 営業部 大西孝生部長「ビールの価格がメニュー全体の価格帯の指標になる看板メニューでもあるので、できれば上げたくない」

現在、この店での生ビールの中ジョッキの値段は1杯・328円。

客「最初にこれ(ビール)って絶対頼むものなので、なかったら困るし高くなるのも困る」

そこで店の下した決断は…

あかまる商店 営業部 大西孝生部長「今のところ値段は据え置きでやろうと思っています」

値上げに踏み切る居酒屋も多い中、この店では10月以降も価格はそのままで提供することを決めました。

大西部長「今回は(仕入れ値の)上げ幅も大きいのでかなり苦しい部分はあるんですが、メニュー全体として工夫をしながらなんとか凌いでいきたい」

10月1日からの値上げに頭を悩ませる飲食店。飲食店に酒などを卸す業者を訪ねると…

住田 営業本部 青田裕治本部長「(酒類)全体で言うと1割から3割りぐらい上がるんですけど、ビールをとらえると15%ぐらい(原価の)値上がりになります」

前代未聞だという値上がり幅に9月中に買いだめする飲食店も多いといいます。

住田 営業本部 青田裕治本部長「(原価の)上がり幅を聞いてびっくりするお客さんもいます。きのうまで買い占めるお客さんもいくつかありましてある程度の納品はもうしている」

酒類の他に10月に値上げとなるのはマヨネーズやみりんなどの調味料やソーセージやハムなどの加工食品、チーズなどです。

原材料価格の高騰や原油高に円安が加わり、長年価格を据え置いてきた商品や、すでに今年値上げした商品など月別で過去最多の6500品目以上の食品が 値上げとなります。

安村恵美記者「こちらは地元で激安と評判のスーパーなんですが、相次ぐ値上げの波に頭を悩ませているようです」

南区にある「スーパーたかもり」。店内に並ぶのは驚きの安さの商品たち!こうした地域を支えるお店にも値上げの波が襲い掛かっています。

たかもり 伊木 英人副社長「この先どう仕入れ値があがっていくのか、見通しがたたないので正直不安しかないですよね」

このスーパーでは円安や原油の高騰などで海鮮や酒類などが相次いで値上げ。特に食用油は2倍近く値上がりしたといいます。

伊木副社長「我々もできることはしますけど、工夫でも補えない部分は売価を値上げするしかないかなというところですね」

スーパーたかもりでは10月1日からの値上げは予定していないものの、ビールやチューハイなど酒類は今ある在庫を売り切れば次の入荷分からは価格に反映せざるを得ないといいます。

また、スーパーにとって痛手は食料品などの値上げだけではありません。

伊木副社長「販売にかかわる経費が上がっているのが大きくて電気代やガス代など、売価に直接載せにくいものの値上げがかなり堪えています」

相次ぐ値上げにスーパーのお客さんからも苦しい声があがります。

買い物客「苦しいですね、全部値上げしているから」

買い物客「パンとか値上がりしているから、朝飯がだんだんおにぎりに代わっていくからそこが不満ですかね」

そんななか、値上げをしない商品が・・

安村恵美記者「このスーパーの目玉商品はこちらのお弁当。人気なだけあって瞬く間に売り切れてしましました!」

13年前から販売を始めてずっと変わらない価格だという激安弁当。お値段1個270円。

今回の値上げラッシュにも何とか踏みとどまりました。

伊木副社長「今までずっとがんばってやってきたんでちょっとこの状況は正直しんどいが、限られた数で提供させてもらうことで維持はしていこうかと」

地域に根差したスーパーにも押し寄せる値上げの波。消費者だけでなくお店にとっても我慢の「秋」となりそうです。

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