医療機器に「故障」タイマー仕掛ける 島津製作所の子会社従業員、5病院で不正

島津製作所本社(京都市中京区)

 計測機器大手の島津製作所(京都市中京区)は30日、医療機器子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)のエックス線撮影装置に関する不正疑惑を巡り、社内調査の結果、故障を装って部品を交換する不適切な行為が熊本県内の医療機関で5件あったと発表した。

 同社によると、不正は2016~18年、熊本営業所(熊本市)の同じサービス技術者が県内の医療機関5施設で計5件行っていた。保守点検の際、撮影装置内に回路を遮断するタイマーを仕掛け、一定期間がたつとエックス線が出なくなる不具合を生じさせる手口で、1台150万~200万円ほどの部品を交換させていたという。

 不正は内部通報を受け、島津製が今年5月から調査していた。引き続き外部の専門家でつくる委員会が調査を続けるという。

 同社は「関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます」とのコメントを出した。

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