【那須塩原】市は30日までに、上塩原の日帰り温泉入浴施設「塩原温泉華の湯」を本年度末で休館とすることを決めた。利用者の減少で赤字が続いていることが主な理由で、来年度、民間への施設譲渡公募手続きを行う予定。
同施設は観光産業や上塩原地区の地域活性化を目的に旧塩原町が整備し、1999年1月に開業した。
99年度は約6万5千人が利用したが、昨年度は約2万4千人にまで減少。市によると、2011年度ごろから単年度収支が2500万円程度の赤字となっている。
市は28日、同施設の今後の在り方に関する地元向け説明会を市塩原支所で開いた。設備の老朽化が進んでいることや、周囲に日帰り入浴施設が増加したことから「当初の目的を達成した」などと説明した。
参加した自治会長や住民らからは「地元の人に運営を任せてもらえないか」との意見が出され、市は「その可能性も含め、今後も話し合いの場を設けていければ」と回答した。板橋信行(いたばしのぶゆき)支所長は「さまざまな意見を聞くことができてよかった」と話した。
譲渡公募の開始時期や条件は未定。市は地元住民や県などの関係機関と協議を重ね、詰めていくという。