【インタビュー】福地桃子「わたしもこの映画から受け取るものがありました」 主演映画『あの娘は知らない』公開

俳優の福地桃子が主演した、映画『あの娘は知らない』が全国公開を迎えた。「喪失」を抱えたふたりの新しい絆と希望を描く物語であり、福地自身も受け取るものが多かったと参加した感想を話した。岡山天音との共演の感想を含め、主演作にまつわる話を聞いた。

―本作は喪失と再生がテーマであり、誰もが共感しそうな作品でした。

わたしが演じた中島奈々は家族が亡くなっていて、周りに誰もいないんです。自分とは境遇がまるで違うのですが、いつか彼女のようになるかも知れないという意味で、誰にとっても身近なものだと思いました。だからこそ共感できましたし、井樫彩監督と相談させていただくなかでも、演出についてではなくて、周りの方のお話などをうかがいました。

―奈々の内面を作るために実際の出来事のお話で参考にしたのですね。

自分の体験を話すことって、ものすごくエネルギーがいることだと思いますが、この作品のために監督自身の身を削ってくれたのだと思いました。奈々をしっかりと演じる上で、想いを受け取りたいと思いました。ですので奈々が初めて人前で感情を出すシーンの前は時間をかけてお話させてもらったり、映画作りとしてじっくり時間をかけてもらいました。

―本作に携わったことで、一番の学びや気付きは何でしたか?

殻に閉じこもるのではなく、シームレスな出会いの中で人は受け取るものがあると思うんです。自分もこの映画から受け取るものがありましたし、日常の中にある小さな幸せやほっこりした体験を届けたいと思いました。わたし自身、前向きになれる気持ちになったので、観る方々にどう受け取ってもらえるか、これからすごく楽しみです。

―藤井俊太郎役・岡山天音さんとの共演はいかがでしたか?

柔軟さに驚きました。そこに存在することが不思議な感じで、ずっと見ていられる自由な表現、佇まいをされる方、そういう印象を受けました。あとは、俊太郎と奈々に近い距離感があったように感じました。俊太郎さんを演じる天音さんから、奈々を引き出してもらったこともあったと思います。脚本上だけでは想像できなかったことが度々ありました。

―ところで、作品を通して観る人が感動したり、人に影響を与える仕事だと思いますが、そのことについてはどう受け止めていますか?

作品を撮っている時は、映画の大きさや作品の反響について考えてはいないのですが、世に出てみなさんの元に届いた時に心を動かすことができたり…自分自身も映画の中で心が動く体験をしているので、それが連鎖していくことって想像できない規模だと思っています。なので、作品とは丁寧に向き合いたいなと改めて思います。

―楽しさは感じますか?

今回のように近い世代が集まっていい映画を作ろうと話し合い、同じところへ向かって作品を作っていく。それだけでもとてつもない熱量が集まっていると思うんです。だからこそ届くものがあるのだろうなと思いながら、その反響の大きさについては時間が経ってから感じています。

―最後になりますが、映画を観る方へメッセージをお願いいたします。

この映画を観て、日常の中にある小さな幸せ、温もりをちょっとでも感じていただけたらうれしいです。わたし自身もこの映画から感じるものがたくさんありました。皆さんにもそれが届いてくれたらいいなと思います。

新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
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