「家族みたいに弔いたい…」いまどきのペット葬 最後をどう見送る? コロナ禍でペット飼う人増

コロナ禍で増えていると言われるペットの飼育…。家族の一員として迎える人も少なくありません。でもどんな命とも、いつかはお別れの時がやってきます…。

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Q街で聞く…お別れの時がきたら?
7歳のネコを飼う女性「大事に飼ってきたし供養してあげたい」

ネコを飼う女性「まだそこまではまだ考えてない、まあいずれは…家族と一緒なんで…」

16歳のネコを飼う男性「前のネコも20歳くらいで亡くなった。あと4年くらいで亡くなるのかと思うと涙が出そう…。骨がもらえるところともらえないところがあるのでそれを今のうちに調べとこうかな」

文鳥とデグーを飼育する男性「小動物に対応した葬式がそもそもあるのか知らないので、そこは不安というか調べないと…」

20歳の犬を飼う女性「ワンちゃんの火葬してもらう所へ持っていきます。20年も癒してくれたから」

きょうのテーマは「家族みたいに弔いたい…いまどきのペット葬」です。

【スタジオ】
小林アナ)
コロナ禍でペットを飼う人が増えている・・・とよく聞きますが、実際にペットとペット用品の市場規模は、2017年が約2500億円で2021年が約2850億円と、ここ数年で大きく伸びています。二人はいかがですか?

青山アナ)
まさにコロナ禍になって2年前からネコを飼い始めました。

中根アナ)
私も実家で子犬をかっています。

小林)
皆さんそれぞれ、「家族同然」で付き合っていると思いますが、どんな生き物とも、最後はお別れの時がやってきます。例えば金魚なら、庭の片隅に…という弔い方もあると思いますが、犬やネコだとどうなるのか?

火葬については、例えば広島市では、市営の火葬場でペットの火葬をしてもらうことができます。ただ、合同火葬となるため、お骨の持ち帰りはできません。

一方、いろいろサービスを使えば、人間さながらのお別れの儀式ができたり、ペットならではの事情が考慮されたりするようです。いまどきのペットのお葬式…驚く状況です。

【VTR】
広島市佐伯区に10月上旬にオープンする「小田ペット葬祭 五日市斎場」です。

ペット葬祭ディレクターの 小田 笙汰郎 さんにオープン前の斎場を案内してもらいました。

まず、ペットが動物病院や自宅でなくなった後、すぐに運び込まれるのがこちらの「メモリアルホール」です。

ペット葬祭ディレクター 小田笙汰郎さん
「ここではまずペットを台の上に安置するような形で寝かせていただいて、そのあとここで焼香あげていただくような形です」

個別火葬の基本料金には紙製の棺がついていますがオプションで、かごや桐の棺に変更することも可能です。

ペットとの最後の記念写真をSNSにアップする人はせっかくならと「映える」棺を選ぶんだとか。

通常であればこのあとそのまま火葬…ですが、ペットが亡くなってすぐには家族全員が揃いにくいことも。そこで広島県内で初めて導入されたのがこちら、ペットの霊安室です。

ペット葬祭ディレクター 小田笙汰郎さん
「霊安室をもうけることで、皆さんが集まる時間を設けさせてもらって、できる限りそういった後悔をなくしてあげたかったというのがあります」

霊安室があることでお経をあげてもらう僧侶などとの時間調整もしやすくなったそうです。

そして、こちらの斎場の最大の特徴が「納骨供養堂」を完備していることだといいます。

ペット葬祭ディレクター 小田笙汰郎さん
「お骨を持って帰られる方がすごく多いが、持って帰った後にどういった形で管理していくか困っている方もとても多い。ここにおさめていただいたら、好きにお参りいただけるので、タイミングに合わせてきていただければ」

一方こちらは、ペットを火葬する車が自宅など希望する場所まできてくれるというサービスです。

全国的には20年前、広島では12年前に始まりました。

車のバックドアを開けると、そこにはペット用の焼却炉が…。

この車の中で火葬することができるんです。実際の手順を再現しました。

ー再現ー

車が来たら、飼い主は寝台部分に亡くなったペットを寝かせ、周りにはお花を飾ったり、好きだったおもちゃやおやつを供えます。

広島ペットセレモニー 金清 健 代表
「ペットちゃんと最後のお時間になります。最後ゆっくりお見送りになってください…」

火葬前にはペットと飼い主のための最後の時間が設けられます。

広島ペットセレモニー 金清 健 代表
「最後、点火の方なさいますか?」

炉のスイッチを押すかどうかは飼い主に委ねられます。火葬にかかる時間は大きさによって1時間から2時間程度。匂いや煙は出ないそうです。

火葬後はお骨を拾い、骨壺に収めます。

ーここまで再現ー

広島ペットセレモニー 金清 健 代表
「運転ができなかったり、タクシーのって火葬場いかれるとか、お年寄りの方とか高齢の方に便利だと感謝していただいています。一緒に過ごされた思い出の場所は、自宅がいちばんなので、自宅でお見送りができるっていうことで喜ばれる方が多いです」

大切なペットの「最後」をどう見送るか。その時を迎える前に、考えてみることも必要なのかもしれません。

【スタジオ】
青山)
いまはまだ想像したくない…というのがありますが、知らない情報ばかりだったので、知ることができるできてよかったと思いますし、どういう風に自分だったらと考えますね、どの形がいいのかと。

中根)
ペットを飼っているからこそ、考えたくはないけれども、どうやったら最後をみんなで迎えられるのか、どういう人たちで飼ってきたのか、どういう思い出があるのかに合わせた、終わりの迎え方があるのだなと思いました。

青山)
サービスが広がっているのは分かりましたね。

小林)
わたしも実は、1か月前にペット葬を体験したばかりで、思い出してしまうんですが、最後に別れをする時間は大事なんだと思います。見送る時間をしっかりもって、感謝する気持ちをもてば、ペットロスの軽減にもつながっていくのかなと…。本当に家族同然ですから、人間と同じように見送りたいという気持ち、大事かなと思いますね。

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