車椅子で花火大会行くのはビッグイベント…大迫力と美しさに感涙「あー1年頑張って良かった」【吉田詩織のHappy車いすライフ】

三国花火大会の会場に訪れた吉田詩織さん(右)=2022年8月11日、福井県坂井市
大迫力の花火が夜空を彩った三国花火大会=2022年8月11日、福井県坂井市

みなさんご無沙汰してます、吉田詩織です。 今年は大気の状態が不安定になることが多くて異常気象が続きますね。めげすに明るく行きましょう!

今年の夏は3年振りに開催された三国花火大会へ行ってきました。三国花火を見るのは8年ぶり。夏に1カ月間滞在する軽井沢イベントに参加し始めるまでは、毎年の楽しみと言っていいほど三国花火と敦賀花火に行くのがルーティンでした。

今年も行けたらいいなと思って1年前から計画していました。私が出かけるためには、荷物も多く、外出するには段差などの危険性があるため人数確保が必要です。なので、1年前から色んな人に花火大会へ一緒に行きませんか?と声をかけていました。

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もちろん慣れた友達だったり、ヘルパーさんはいます。ほかにも荷物持つ人だったり、段差で車椅子を持ち上げる人だったり、トイレや水分補給を手伝ってくれる人など沢山人手がいるのです。それだけ外出するには大変だし、危険リスクも多くあるので、大掛かりになってしまいます。

3年ぶりとあって混雑が予想されたので、車で行くのはやめて、えち鉄で行くことにしました(^^) 福井市内の「まつもと町屋駅」から乗ったんですが、もうすでに満員状態。通路には人がいっぱいいて行けなかったので、入り口付近に陣取りました。

各駅停車なので、扉が開くたびに人が降りやすいように車椅子を端に寄せるなど気を使います。降りるお客さんは「すみません」と会釈しますが、こちらが申し訳ない気持ちになりました。

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そんな中でも、えち鉄の旅や景色を楽しんでいました。一面田んぼだらけの田舎道を走ってく景色は、なんか落ち着くんだよねぇー。楽しんでいるうちに、あっという間に「三国港駅」に着きました。

列車を降りる時は、1番先に降ろしてくれたり、車椅子の前輪を持ち上げてくれたりと、皆さんが手伝ってくれました。列車を無事降りると友達が待っいてくれました。しかも場所取りまで…。今年はチケットの事前予約が必要だったけれど、知人から優待券をもらったのでそこは楽♪ 椅子席で友達も「ゆったり座れた」と喜んでいました。

花火大会が始まりました。海が目の前にあり、本部席の後ろの席。

アナウンスも音楽も臨場感すごい! 最初は2尺玉から始まり、三国花火お決まりの掛け声「2尺玉ゴーーー」が聞けて「あー1年頑張って良かった」って胸が熱くなりました。

音も、スケールも、6年前から比べたら進化していて半端ない。1発1発の音が身体全体に響いてくる。「でかい」と言うまでもありません。音楽と共に色とりどりの花火が上がる時は、言葉にならないくらい音楽と花火が上がるタイミングが合っていて感動しかない!特にMISIAの「愛のカタチ」で涙腺崩壊。井上陽水も良かったです。

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花火を見ながら、1年を振り替えり涙が止まらない!花火が「1年頑張ってえらかったね」って声掛けてくれてるように見えました。フィナーレは圧巻と言う言葉では済まないくらい、迫力と美しさにあふれていました。

帰りは最終列車に乗り、また駅員さんが手伝ってくれました。家路に着いたのは夜中でしたが、とても良い夏の思い出になりました。

今回花火行こうと声掛けてくれたヘルパーさんはじめ、色々段取りしてくれた友達、えち鉄のスタッフの皆さん、ありがとうございました。また来年会いましょう☆

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幼いころに高熱が続き、脳性まひと診断された30代女性によるコラム。福井県内で一人暮らしをしている吉田詩織さんが、車椅子を利用しながら過ごす毎日や、その中で感じたことをお伝えします。

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