ギネス世界記録に認定!越前和紙産地のジャンボ和紙 福井県越前市で小学生ら団結…171.635平方メートル完成

ギネス世界記録に認定されたジャンボ和紙を眺める岡本小学校児童=10月1日、福井県越前市の同校体育館

 越前和紙の産地にある福井県の越前市岡本小学校の創立150周年記念で、児童や卒業生らが8月に制作したジャンボ和紙が、面積171.635平方メートルと計測され、ギネス世界記録に認定された。10月1日に同校で開かれた創立記念式典で出席者に報告され、全校児童約120人が「自分たちの地域の誇りにしたい」と喜びを分かち合った。⇒ものづくり産地巡る「RENEW」10月7日開幕!

 越前和紙の製紙所が集中する岡本地区を挙げての記念事業となったジャンボ和紙作りは、福井県和紙工業協同組合の全面協力の下、児童や保護者、各年代の卒業生ら約550人が参加。同校グラウンドに設置した幅1.7メートル、長さ100メートルの木枠に、コウゾに練りを混ぜた原料約4千リットルを流し込んだ。

 乾燥させた後に測量士の協力で正確な面積を計測し、ギネス世界記録の認定機関に動画やデータを提出。2015年にパラグアイで達成された手作りの紙の大きさ149.5平方メートルの世界記録を大きく塗り替えた。

 式典会場の体育館に掲げられた和紙は、三方の壁沿いに広げてもなお余りあるサイズ。同校PTA役員らの実行委員会から記録認定が報告されると、吉報を待ち望んでいた児童ら出席者約190人から大きな拍手がわき起こった。公式認定員から届いた認定証が披露され、全員で万歳三唱して達成を祝った。

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 児童たちは普段から紙漉き体験に親しみ、卒業証書は同校中庭で育てたコウゾを原料に制作している。6年の女子児童は「地域の方々が伝統として受け継いできた和紙で記録を達成できたことがうれしい」。実行委メンバーは「地域にしっかり根付いた和紙だからこそ住民が団結できた」と感慨に浸っていた。

 同校と実行委は今後、越前市庁舎など公共施設でのジャンボ和紙の一般公開を検討する。

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