予備選挙の仕組みをわかりやすく解説!日本での事例は……

2023年春の統一地方選挙で行われる大阪市長選挙に向けて、大阪維新の会が公認候補者を決めるために「予備選挙」を行おうとしています。過去には2021年の富山市長選挙に際して自民党富山県連が候補者を決める予備選挙を行うなど事例がありますが、そもそも予備選挙とはどういうものなのでしょうか?本記事では予備選挙についてご紹介します。

予備選挙とはそもそも何か

「予備選挙」とは、簡潔にいえば本選挙(本番の選挙)に先立って選挙区ごとの候補者を選ぶ選挙のことです。予備選挙は定数1の選挙を行うことが多いアメリカの選挙で一般的で、アメリカでは「プライマリー(primary)」と呼ばれます。予備選挙の他に候補者を選定する方法としては、党内の幹部会などで候補者を選ぶ「コーカス(caucus)」、党大会などで党員が投票を行う「コンベンション(convention)」などがあります。

予備選挙の日本での事例

予備選挙が日本で行われたケースは多くありませんが、最近だと2021年の富山市長選挙に際して自民党富山県連によって行われたものがあります。

【日本初か】開かれすぎた自民党!? 富山市長選挙に向けた予備選挙が熱い!!

このときの予備選挙は以下のようなルールのもとで行われました。

富山市在住の党員による党員投票40ポイント、議員投票40ポイント、電話による世論調査票20ポイントにおける合計ポイントが最も多かった候補者が4月告示の富山市長選挙の自民党候補者

また、2023年4月の大阪市長選挙に大阪維新の会が擁立する候補者を選ぶための予備選挙も現在行われています。今回の大阪維新の会による予備選挙は、以下の複数の段階を経て行われます。

候補者公募受付(2022年9月15~30日)

選考(2022年10月1日~11月上旬)

1次選考(応募者6名以上の場合)
5名に絞り込み

2次選考(内部委員・外部委員によって構成された選考委員会による選考)
2~3名に絞り込み

予備選挙(2022年12月1~10日)
12月1日告示
12月9日選挙期間最終日
12月10日投票(即日開票)

この予備選挙で投票することができるのは、特別党員(議員など)、大阪府内在住で9月15日までに登録されている一般党員、LINE党員です。

30日に締め切られた公募受付に立候補したのは、

藤田暁氏(大阪市議(港区)・日本維新の会の政調会長代行)
横山英幸氏(大阪府議(淀川区)・大阪維新の会の幹事長)
岡崎太氏(大阪市議(東成区)・大阪維新の会の政調会長)
松浪健太氏(大阪府議(高槻市及び三島郡)・元日本維新の会幹事長)
本田リエ氏(大阪市議(城東区))

の5名です。

予備選挙のまとめ

  • 予備選挙とは「本選挙に擁立する候補者を予め選ぶ選挙」のこと
  • 予備選挙が盛んなアメリカでは、予備選挙に参加する人の範囲でいくつかに分類できる
  • 日本で予備選挙はまだ一般的ではないが、2021年の富山市長選、2023年の大阪市長選に向けた予備選挙がある

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