元世界女王エバートが名付けたテニスブレスレットとは?

「全米オープン」放送ブースでのエバート(左)

テニス界のレジェンド、クリス・エバート(アメリカ)は、ある出来事により”テニスブレスレット”のという言葉を作り出した。その出来事から44周年を迎えるにあたり、エバートはジュエリーブランドとコラボレーションを行い、テニスブレスレットのコレクションを発表。スポーツウェブメディアSportskeedaが伝えている。

1978年の「全米オープン」で、エバートは試合の途中でダイアモンドのブレスレットを紛失。エバートは試合を中断してブレスレットを探し始め、ちょっとした騒動を起こした。身に着けていたブレスレットのことを、エバート自身がテニスブレスレットと呼んだため、以後小さなストーンが並んだブレスレットのことをジュエリー界でもテニスブレスレットと呼ぶようになった。

今年の「全米オープン」でこのブレスレット騒動から44年経つ。エバートはこれを記念して、Monica Rich Kosannとコラボしたテニスブレスレットのコレクションを発表した。Women's Wear Dailyのインタビューに答えたエバートは、今こそ過去の出来事を自分のものとし、テニスブレスレットという言葉を生み出した自分が利益を享受すべき時だと考えたと語った。

「あれ以来、誰もがテニスブレスレットを発表して、“この話を自分の言葉で語ることができなかった”と思ったの。あれがどうやって生まれたかという物語をね」

しかし、今回出来上がったコレクションはただテニスブレスレットをアピールしたいためのものではなく、ある特別なメッセージを念頭に作られた。デザインは、エバートがプロテニスツアーに参加してから今まで、時と共に進化してきた女性アスリートに対する認識に敬意を表したものとなっているという。

コレクションは汗の雫を模した洋梨のような形をしたダイアモンドや、テニスコートの形をした緑のエメラルドなど、13タイプのデザインで展開されている。

エバートは、これまでの年月の間に女子テニス選手への認識が変化してきたことに触れ、多くの面でテニスというスポーツが進化してきたと語った。

「[以前は人々の]多くが、汗をかき、転び、大きな筋肉を持ちたがる女性のことをどう取り扱ったらいいかわからなかったみたいだけれど、今は尊敬を集めている。今は、すべての父親が娘にアスリートになって欲しい、あるいは強くなってほしいと思っている。そしてそれは平等なの。[男性も女性も]同じ賞金額のために戦って、同じ量の観客を惹きつけている。素晴らしいスポーツへと進化したわ」

エバートが1978年の「全米オープン」で着用していた有名なダイアモンドのブレスレットは、8度のグランドスラム優勝を誇る名選手でありエバートの元婚約者でもあるジミー・コナーズ(アメリカ)からの贈り物だと長い間考えられていた。しかし、エバートはこれを否定。おそらく自分で買ったものだと言う。

「誰が元彼からもらったものだって言ったの?確か自分で買ったものだと思うわ。よくは覚えていないけれど…40年前に起こったことを思い出せって言われてもね」とエバート。

エバートは今月閉幕した「全米オープン」でESPNのメインコメンテーターを務めた。今年の初めに、エバートは卵巣がんのステージ1Cであることを明かし、自身の体験を通じてがんへの認識を広める活動をしている。5月には、最後となる6度目の化学療法のセッションを終えたと報告している。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全米オープン」放送ブースでのエバート(左)
(Photo by Jean Catuffe/GC Images)

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