インボイス導入は小規模業者に増税、再考求める

 政府は来年10月から「インボイス制度」を導入する考えだが、立憲民主党の落合貴之議員は9月30日の衆議院経済産業委員会での閉会中審査で「このタイミングでインボイスを導入するのは、それこそ小規模事業者にピンポイントで増税するような制度になってしまう」と強く警鐘を鳴らし「導入は考え直すべき」と政府に求めた。

 落合氏は「税務署は納税が楽になるかもしれないが、負担は小規模事業者たちが負い、事務負担も事業者が負う」ことになると小規模事業者に負担が大きすぎると警鐘を鳴らした。

 この日の質問で落合氏は「コストプッシュ型の物価高が色んな事業者を襲っている。経産省として日本経済を好転させていくためには中小企業、特に小規模事業者やフリーランスに対してしっかり政策を打っていかないといけない」と求めた。

 また現在の消費税納税業者は3百数十万者、免税事業者は5百万社近くいる。インボイス導入でどれくらいの事業者が課税事業者になると推計しているのか、と質した。

 これに財務省担当者は「現在、確たる数字は出せない」とした。落合氏は「数字を出さなければ何万社に影響があるのかさえ分からないで制度に突入することになる。多分、わかっていて言わない。こういう姿勢で増税はおかしい」と中小零細企業やフリーランスへの過大な負担を強いるインボイスの影響を強く懸念した。

 落合氏はツイッターで「説明もしっかりしないまま、弱い小規模事業者達に実質的な大増税をするような今のやり方は間違っている。事業者達を所管する経産大臣は財務省に警鐘を鳴らすべきだ」と訴えている。(編集担当:森高龍二)

政府は来年10月から「インボイス制度」を導入する考えだ

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