〝さらば森田効果〟で競技人口急増 「モルック」日本一決定戦は約300チーム参加

木の棒を投げ得点を競うフィンランド発祥のスポーツ「モルック」の日本大会決勝戦が2日、大阪府泉佐野市の末広公園で行われた。モルックはお笑いコンビ「さらば青春の光」の森田哲矢が世界大会に出場したことでも知られる競技で、近年注目度が高まっている。2日間かけて行われた今年の日本大会には昨年の約2倍の約300チームが参加し、和歌山県の大学生チーム「WAMo ヤングレオパルド」が日本一に輝いた。

優勝した「WAMo ヤングレオパルド」

モルックと呼ばれる円柱状の木の棒を下手投げし、3・5メートル先に置かれた12本の木製のピン(スキットル)を倒すのが基本のルール。1本のみを倒した場合はスキットルに記された数字が得点に、複数本倒した場合は倒した本数が得点になる。各チームが1投ずつ交代で投げ、先に合計得点が50点ちょうどになったチームが勝利する。50点を超た場合は25点へ減点され試合は継続される。さらば青春の光・森田を中心としたお笑いタレントチーム「キングオブモルック」の冠番組が放送されたり、森田が試合に挑む様子をYouTubeで発信したりして近年、競技の認知が広がっている。

数字が記された12本のスキットルを倒すゲーム
狙ったピンを的確に倒す
今夏の世界大会で日本代表選手を務めた山口賢治さんも出場した

「日本大会」は毎年恒例の日本モルック協会主催大会で、2014年から開催されている。同協会によると、今年は過去最多の約300チーム、およそ1000人が参加した。参加申し込みは約350チームあったという。昨年の参加は約150チームで、今年は約2倍に増えた。

参加者には、さらば青春の光・森田の影響でモルックに出会ったと話す人が多くいた。今年8月にフランスで行われた世界大会の国別対抗戦に日本代表として出場した、板倉右京さん(32)は2019年10月頃からモルックを始め、競技歴約3年。「今、上位でやっている人は僕と同じくらいか後に始めた人ばかりです。森田さんが2019年の8月頃からメディアでモルックを紹介するようになって、その後から一気に増えた。森田さんたちの人気が出れば出るほどモルックの露出も増えていくので、これからもスキャンダルなく頑張っていただきたい」と〝森田効果〟に期待した。

今夏の世界大会で日本代表選手を務めた板倉右京さん(左)と津坂茂弘さん

同じく日本代表選手の津坂茂弘さん(55)も森田がきっかけで競技を始めたといい、「森田さんの人柄でこれだけモルックが盛り上がっている」と喜んだ。板倉さんと津坂さんが所属するチーム「PöMaiKai」は昨年の日本大会で優勝した実力派だったが、今大会ではベスト90で敗退した。

もう1人の日本代表・山口賢治さん(35)も森田の動画で競技に出会ったといい、「モルック広めたのは森田さん」と影響力を語った。所属チーム「VistAA」はベスト12で敗退。「モルックのゲーム性は誰でも勝者になり得ますし、そこがいいところ。今回は運がなかったかな」と振り返った。普段は茨城県を拠点に活動しているが、SNSや大会参加を通じて友人ができることも競技の魅力だという。

声を掛け合い士気を高める「WAMo ヤングレオパルド」のメンバー

この日、優勝したのは和歌山県の大学生サークル出身チーム「WAMo ヤングレオパルド」。お笑い好きのリーダー・西脇彰汰さん(20)が森田のYouTubeをきっかけにモルックに目覚め、サークルを立ち上げた。表彰式では「大学で誰もやっていなかった中、サークルとして集まってくれた」と涙ながらにメンバーに感謝した。

(よろず~ニュース・今井 佳奈)

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