依存症回復へ居場所を 医師や当事者ら症状語る 長崎でシンポ

講演する西脇氏=長崎新聞文化ホール・アストピア

 「ギャンブル等依存症について考えるシンポジウムin長崎」(実行委主催)が2日、長崎市茂里町の長崎新聞文化ホール・アストピアであり、登壇した医師や依存症当事者らが症状の特徴や居場所の大切さについて語った。
 一般社団法人パチンコ・パチスロ社会貢献機構と県遊技業協同組合の共同助成事業。約70人が参加した。
 「『社会的人間』と『依存症』」をテーマに講演した医療法人志仁会西脇病院理事長・院長の西脇健三郎氏は「ついつい手が出るものだらけ」の大衆消費社会の到来により、さまざまな事物が依存対象と言われるようになったと指摘。依存症には、不道徳だと見られたくないなどの理由で当事者が症状を認めない「否認」の問題があるが、関係者が当事者グループに参加することで「光が差す」こともあり、回復には「居場所の提供が大切になる」と話した。
 パネルディスカッションでアルコール依存症当事者の女性は「体が悲鳴を上げてもお酒を手放すのが怖かった。家事も育児もしなければと頑張るために飲酒していた」と振り返り、自助グループに参加して「自分と向き合うようになった」と語った。


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