揮毫イベントで「和」の尊さ発信 長崎市が平和事業に認定 名古屋の団体、被爆地などで活動

認定書交付式を終え、9月に平和公園で揮毫された書を前に記念写真に収まる「和プロジェクトTAISHI」の関係者ら=長崎市平野町、長崎原爆資料館

 書道家や高校書道部の揮毫(きごう)イベントを通じて、世界平和への思いを発信する活動「9.21 世界平和の祈り」が、長崎市の「平和の文化」事業に認定された。市は9月30日、主催する名古屋市の任意団体「和プロジェクトTAISHI」(宮本辰彦代表)に認定書を交付した。
 同団体は2017年から毎年、国連が定める「国際平和デー」の9月21日に同イベントを開催。全国の護国神社や広島市の平和記念公園、長崎市の平和公園などを会場に、各地の書道家や高校生が大きな紙に「以和為貴」(和をもって貴しとなす)などとしたためている。
 認定は8例目。市は、高校書道部などの若い世代や外国人も参加している点を評価した。長崎原爆資料館の篠﨑桂子館長は交付式で「ともに長崎から平和の輪を広げる大切な仲間として活躍してほしい」とあいさつ。宮本代表は「戦後70年以上、日本の平和を保ってきた戦争体験者が少なくなる中、日本人の『和』を尊ぶ精神が新たな(戦争への)抑止力になれば」と語った。

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