「菅さんありがとう」 川崎・多摩区の元小学校長、「菅地区」の魅力まとめ出版

多摩区菅の魅力を網羅した著書を手にする佐藤行教さん=川崎市多摩区菅北浦の自宅

 元川崎市立小学校校長の佐藤行教(ゆきのり)さん(75)=多摩区菅北浦=が、同区菅(すげ)地区の歴史や文化、行事などの魅力をまとめた書籍、「菅さんありがとう ふれあいの花が咲く町 菅百八話」を出版した。50年近く住む同地区を約4年かけて取材した佐藤さんは「先人の苦労や暮らしを伝え、菅に対する理解と愛情を深めてほしい」と話している。

 佐藤さんは生田小、西菅小など市内9小学校に勤務し、2校の校長も務めた。西菅小勤務時は地域の名所や祭りをまとめた副読本を編集、市郷土研究会員や市博物館資料調査員として郷土の歴史も調べた。豊富な執筆経験があり、「昔を調べることは、今を大切にすること」「現場に行き、体で実感しないと心に響く本は書けない」との思いがある。

 今回は菅地区を歩き、100人以上に話を聴いた。飛び込み取材でもほとんどの人が丁寧に答えてくれ、「菅は、人がとにかく温かい。いいところだと実感した」と語る。

 書籍は全304ページで、自ら撮ったカラー写真を多用。室町時代に存在した福泉寺、江戸時代の菅村の人々の様子など、わが町の歴史を、テーマ別に108話で構成した。

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