なつやすみ大作戦2022|なべやかん遺産 芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「なつやすみ大作戦2022」!

夏の営業仕事がゼロ

なつやすみ大作戦2022!

久々に行動制限の無い夏休みが終わった。この二年間コロナに苦しめられ、それが現在進行形で続いているのが鬱陶しい。

最近ではコロナ発生源追及のニュースは何処かに行ってしまったようだ。個人的意見としては、このウィルスは人為的に作られたので自然界から発生した物ではないと思っている。
ちなみに、人類誕生も人為的ウィルスだと考えている。

この場合の“人”は宇宙人の事だ。生物のいない地球に宇宙人が来て立小便をした。立小便宇宙人は性病か何かを持っていて、その結果地球上にウィルスが誕生し、紆余曲折があって生物誕生となり人類となったのだ。これが自分の考え。

現在、地球温暖化で永久凍土が溶けたりしている。ロシア内の永久凍土が溶け、宇宙人によるウィルスが表面に出て、現代人を苦しめるウィルスとなり罰が当たれがいいと祈る日々。
ただし民間人の犠牲は気の毒なので、軍人やFSBの皆さんに感染が広がり軍隊が機能しなくなればと祈る日々。

人を毎日殺している悪魔には、人類誕生の秘密が罰を与える。実に素晴らしいシナリオだと思うのだがいかがでしょう?

暑い日が続くと、頭の中もおかしくなってくる。変な妄想をする人もいるし、家から出なくなる人もいる。活発な人でも思いっきり夏休みを謳歌したくてもコロナが気になるし、コロナの影響で夏祭りなども中止になっている所もあり、その余波で私は夏の営業仕事が今年も0個。

商売上がったりで国が旅行の補助金を出してくれたとしても根本の旅費が作れない。こんな思いをしているのは、なべやかんだけでないと思う。

ハリウッド版「間違った宇宙人」

そんな人達に楽しんでもらいたいと考え密かにイベントを行った。静かに夏休みを過ごせる場所と言ったら博物館。

今年も開催しました『なべやかん・チングルベルのなつやすみ大作戦』。

横浜の元町・中華街駅から徒歩数分、外人墓地や北原照久さんの『ブリキのおもちゃ博物館』の近くに岩崎ミュージアムがある。

2016年第一回『なつやすみ大作戦』を開催し、4年ぶりに『春休み大作戦』を開催するも初の緊急事態宣言発令で、途中で中止。昨年は『ハロウィン大作戦』を行い、今年は原点に戻り夏に開催する運びとなった。

このイベントは、特撮コレクターのなべやかんが所有するコレクション、横浜石川町の古着屋『チングルベル』の秘蔵古着、DJ革パン刑事のマニアック昭和歌謡レコード、イラストレーター・エモリハルヒコ氏のデザインした宇宙人を展示している。
最初の『なつやすみ大作戦』では、チングルベルの古着を集めミュージアム地下のゲーテ座でファッションショーも開催したのだが、今回は楽屋が超密になるファッションショーは断念する事にした。色んなアイデアがあっただけにファッションショーが出来なかった事が悔やまれる。

展示は毎回テーマを決めて飾り方を工夫している。

前回はハロウィンだったので、お化け屋敷のような雰囲気や道線をイメージした。

中止になった春休み大作戦は、新生活で田舎から東京に出て来た若者が人や物の多さにクラクラする、そんなイメージを作ってみた。

そして今回は、イラストレーターのエモリハルヒコ氏が命を削って貯めこんだお金を全てはき出し自身がデザインした宇宙人をソフビ人形にしたので、宇宙人をテーマにする事にした。

「宇宙人をテーマにして、どのような展示にするか?」

30秒くらい悩んだ結果、ハリウッド映画で度々描かれている「間違った日本」を宇宙人バージョンでやってみようと思い付いたのだ。

昔からハリウッド映画が日本を描くと妙な違和感しかない。日本人と中国人と韓国人の区別も出来なければ、繁華街の雰囲気も三か国が融合したような感じになってしまう。違和感もあるが、こんな場所があるのなら行ってみたいと思ってしまう。さすがエンターテイメントを作るのが上手いハリウッドだ!

エモリ氏の“深い闇”

4人の様々なコレクション!!
宇宙人の自由研究!
ハワイから展示を見に来てくれた『SPARK』の岩田さんとインスタ映えスポットで。

間違った空間を演出するため、今回の副題を「宇宙人の自由研究」にした。「自由研究」というと文化祭で学生達が教室を使って研究成果を発表するものだ。自ら進んで楽しんでやっている子もいれば、仕方がなく嫌々やっている子もいるので、展示物にかなり温度差を感じる。

今回の展示でも、真剣な研究結果もあればどこか投げやり感もある展示もあったり、そういった感覚を表現したかった。エモリ氏がデザインした数々の宇宙人が地球の文化を独自に研究発表、そんなコンセプトなので、エモリ氏のイメージもかなり大切になる。ホンワカする展示から悪意を感じる展示まで、エモリ氏の表の顔と裏の顔(本来の顔)が上手く出せた展示が完成した。

エモリ氏は引き篭もりの内向的な性格だ。明るくて面白い部分と「こいつ、深い闇を持っているな!」と見ただけで瞬時にわかってしまう表情をしている。初めて会った時、LINE交換したら、最初に送られてきたのがエモリ氏自身のアナル写真だった。

おそらくこれが“深い闇”の部分であると思われる。普通だったら、いきなり距離を置きたくなるが、何故か仲良くなりラジオ番組でレギュラー出演してもらっていた時期もあった。基本が引き篭もりなので滅多に家を出ない。

たまに出掛けると、そこら辺にいる浮遊霊を家に連れ帰ってしまう。エモリ氏の家に皆で行った時、皆で集合写真を撮ったらオーブだらけだった。近所からもホーンテッドアパートと呼ばれていたので、不気味感満載だった。

そんなエモリ氏も新居に移ってからはやる気が多少出て来て、今回の展示も立派に演出した。会場に入ると、宇宙のレアメタルを見守る宇宙人が中央に。

これは、貴重な鉱物を持っている我々こそ宇宙の支配者だと言わんばかりの上から目線をイメージした。上から目線になれば、それだけいい加減な解釈が生れる。

上から目線宇宙人もエモリ氏が作った宇宙人ソフビで、それを囲むように様々な星の宇宙人が地球(日本)での調査研究発表している。なべやかんコレクションも横浜石川町の古着屋『チングルベル』の洋服もDJ革パンのレコードもエモリ氏の考える宇宙人の思想に合わせて散りばめた。

展示での拘りをいくつか紹介しよう。宇宙人目線で見た地球上のUMA(未確認生物)の中に何故かガッツ石松さんがいる。

そして宇宙人は猿が支配している惑星だと思い込んでいるようだ。
スターウォーズや様々なSF映画のプロップも展示しているが、宇宙人はこれらの宇宙人は架空のもので実在しないと呆れている。

邪悪な宇宙人。

大好評の宇宙人ソフビ

レアメタルを守る宇宙人イー・ムー。

地球の宗教観を表現した展示スペースでは、宇宙人はどれも一緒くたにしているのだな~と思わせる見せ方をした。その為、神という存在を考えさせられたと言って、この前で座禅を組み悟りを開くまで居座りたいと言っていた人もいたとかいないとか!

マニアックなインスタスポット!
インスタ映えスポット多数。手の翼。

その他、宇宙人のファッションコーディネートもあり、一筋縄ではいかない内容となっていた。
現在、密かな宇宙人&UFOブームが来ていて、米国防省がUFO映像を公表したりUFO調査部署を新設したりして数年後には映画世界のような未知との遭遇が来るのではと思っている。そうなれば、エモリ氏の時代がやって来る。

来世まで待たず今世で希望の光が差し始めたエモリ氏。会場で宇宙人ソフビも発売し予想以上に売れたので本当に良かった。またエモリ氏の宇宙人ソフビをオリジナルソフビ業界で注目のアートジャンキーの加藤さん、レッドシャークの近藤さんがスペシャル塗装してくれた物も展示したので、ソフビファンも大喜びだった。

アーティスト塗装による宇宙人ソフビ。

そしてわたくし事であるが、SNSでコレクション写真を載せる度「コレクションを見たいです」とか「いつかコレクションを展示して下さい」と言った書き込みが多いので、やかんコレクションを見る事が出来たと喜んでいた人もいた。

そしてインスタ映えスポットを数か所用意していたので、老若男女楽しめたはず。多くの人を楽しませた展示イベントも9月4日で惜しまれながら終了。来年はハロウィンかクリスマスか?

来年もどこかのタイミングで大作戦を開催したい。そして、ファッションショーなどのイベントも同時開催出来たらなーと思う。そんなこんなで、今年も夏休み大成功だった!

楽しかった夏休み!

なべやかん

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